「読売あをによし賞」は、文化財の保存、修復や伝統文化・芸能の復興、継承など、かけがえのない文化遺産を守り伝える取り組みを顕彰するため、2007年に始まりました。
◆第1回(2007年)
本賞 財団法人文化財虫害研究所(東京都新宿区)=博物館や寺社などでの虫・カビ害の防除対策とその普及
奨励賞 模写制作家・富沢千砂子(58)(京都市伏見区)、加藤純子(58)(愛知県東郷町)=国宝「子島曼荼羅」(平安期、奈良県・子嶋寺蔵)の復元模写
◆第2回(2008年)
本賞
奨励賞 和紙技術研究者・大川昭典(65)(高知県南国市)=和紙の材質分析の技術を確立し、正倉院文書の調査にも取り組む
特別賞 財団法人中近東文化センター附属アナトリア考古学研究所(東京都三鷹市)=20年余りにわたり、トルコの遺跡で地元の人たちと調査・保存を進める
◆第3回(2009年)
本賞 鍛冶・白鷹幸伯(73)(松山市)=薬師寺、唐招提寺などで、千年もつという「千年の釘」を復元
奨励賞 本藍染・森義男(67)(滋賀県野洲市)=国宝「一遍上人絵伝」の表装などに取り組む
特別賞 一般社団法人国宝修理
◆第4回(2010年)
本賞 絵画修復家・山領まり(75)(東京都武蔵野市)=油絵や浮世絵など近現代絵画の修復
奨励賞
特別賞 財団法人元興寺文化財研究所(奈良市)=出土品保存処理や史料調査など総合的な保存活動
◆第5回(2011年)
本賞
奨励賞 奈良教育大准教授(絵画記録保存)・大山明彦(53)(奈良市)=古代建築物の彩色復元図の制作
特別賞 日本うるし
◆第6回(2012年)
本賞
奨励賞 名勝桜の保存管理・黒坂登(63)(秋田県大仙市)=樹木医として、東北の桜の名所で桜の古木のある景観を守る
特別賞 財団法人美術院(京都市下京区)=明治期の創設以来、数多くの国宝、重要文化財の仏像や工芸品を修理
◆第7回(2013年)
本賞 城郭石垣修理・粟田純司(72)(大津市)=江戸時代から続く石工の14代目で、
奨励賞 金銀糸、平箔の製造・鳥原雄治(62)(京都市北区)=屏風や掛け軸の表装に用いる金襴の金糸などを製造、文化財修復に使用
特別賞 公益財団法人住友財団(東京都港区)=国内外の文化財維持・修復に関する助成事業
◆第8回(2014年)
本賞 昭和村からむし生産技術保存協会(福島県昭和村)=
奨励賞 漆
特別賞 NPO法人沖縄伝承話資料センター(沖縄県宜野湾市)=沖縄の民話などの記録保存・継承と普及活動
◆第9回(2015年)
本賞 本瓦葺、古代瓦の復元・山本清一(82)(奈良県生駒市)=伝統的な本瓦葺と、法隆寺など古代瓦の研究・復元に取り組む
奨励賞 陶磁器用和絵の具の製造・辻昇楽(54)(佐賀県有田町)=有田焼をはじめとする陶磁器用和絵の具を製造し、窯元に提供
特別賞 公益社団法人
◆第10回(2016年)
本賞
奨励賞
特別賞 株式会社金剛組(大阪市天王寺区)=寺社専門の建築会社として文化財建造物を保存・修復、復元
◆第11回(2017年)
本賞 表装建具製作・黒田俊介(73)(京都市山科区)=襖や屏風の下地や外枠など表装建具の製作
奨励賞 伝統的絹織物の復興・森本喜久男(68)(カンボジア・シェムリアップ)=内戦で失われかけていたカンボジアの伝統的な絹織物の復興
特別賞 株式会社便利堂(京都市中京区)=コロタイプによる法隆寺金堂壁画や正倉院文書などの文化財複製
◆第12回(2018年)
本賞
奨励賞 高級畳の産地再生・くにさき
特別賞 公益財団法人古都飛鳥保存財団(奈良県明日香村)=奈良県飛鳥地方などの歴史遺産の保存、活用
◆第13回(2019年)
本賞 オホーツク文化の調査、研究・北構保男(100)(北海道根室市)=オホーツク文化の調査、研究と出土品などの保存活用
奨励賞 棚田の再生・後継者育成・NPO法人「棚田LOVER’s」(兵庫県市川町)=山間部の棚田再生、後継者の育成
特別賞 歴史資料ネットワーク(神戸市灘区)=災害で被災した歴史資料の救出、保全活動
◆第14回(2020年)
本賞
奨励賞 蒔絵筆師・久野稔(62)(愛知県東郷町)=蒔絵用の筆の製作
特別賞 公益財団法人文化財建造物保存技術協会(東京都荒川区)=国宝・重要文化財の建造物修理の設計監理業務
◆第15回(2021年)
本賞
奨励賞 日本画用絵の具の製造・販売・石田憲弘(46)(京都市中京区)=日本画に用いる天然画材の伝統的製法の継承
特別賞 東儀秀樹(61)(東京都世田谷区)=雅楽文化の継承、普及活動
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