紡ぐプロジェクトによる助成対象の文化財は現在18件。適切に修理し、保管していくために、調査、協議を進めている。佐賀・東妙寺の「東妙寺文書」、和歌山・成就寺の「方丈障壁画 長沢芦雪筆」の重要文化財2件の修理現場をリポートする。
東妙寺(佐賀県吉野ヶ里町)所有の重要文化財「東妙寺文書」について、修理後の形態を話し合う会議が〔2023年〕8月、九州国立博物館(福岡県太宰府市)で行われた。
同文書は、後醍醐天皇による命令書、
修理を担当する「修理工房
早田住職は「末永く保管しやすい状態で修理を完了し、文書に残る痕跡を含め、多くの情報を後世に伝えられるようにお願いしたい」と話した。修理は2024年度末までの予定。
(2023年11月4日付 読売新聞朝刊より)
紡ぐプロジェクトとは
国宝や重要文化財、皇室ゆかりの名品、伝統文化、技術などを保存、継承していく官民連携の取り組み。文化庁、宮内庁、読売新聞社が2018年に開始した。展覧会の収益の一部や、企業からの協賛金などを活用し、文化財の修理を助成し永続的な「保存・修理・公開」のサイクル構築を目指す。これらの文化財の魅力や修理作業の経過に加えて、次世代に伝える伝統芸能、工芸の技術などを、紙面やサイトを通じて国内外へ情報発信している。
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