「紡ぐプロジェクト」が助成する文化財の修理が順調に進んでいる。現在の姿のまま後世に伝えるべく、試行錯誤を重ねながら慎重な作業が続く。西福寺(大阪府豊中市)の伊藤若冲筆「蓮池図」は、この春にも修理完了を迎える。草堂寺(和歌山県白浜町)の「障壁画」の下張りからは古文書が新たに見つかった。
草堂寺の重要文化財「障壁画」は、京都国立博物館文化財保存修理所内の「松鶴堂」の工房で修理を進めている。
5か年計画初年度の2023年度は、長沢芦雪筆「
今後の作業の方針について、「これまで2度、修理を行った形跡がある。古い修理でした補修は本紙になじんでおり、本紙を保護する観点から取り除かず残すほうが良い」などの意見が出た。今後、本紙の紙質検査を行い、新たに補修する紙を用意する。
和歌山県紀南地方には、草堂寺のほかにも長沢芦雪の障壁画が多く残り、それぞれ修理が進んでいる。草堂寺の磯崎泰寛住職は「部屋や
(2024年2月4日付 読売新聞朝刊より)
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