泉涌寺(京都市東山区)に伝わる国宝「泉涌寺
勧縁疏は寺を創建した
経年による劣化が進み、墨とその下に塗られた絵の具の接着力が弱まり、一部が剥げ落ちるなど文字が見えづらくなっていた。修理を担当した「修美」によると、にかわを使って絵の具を再接着したほか、亀裂が生じた部分を裏側から補強し、裏打紙を取り換えるなどした。
大野恭子技師長は「修理用の水の使い方に細心の注意を払った。汚れなどを除去し、文字の雰囲気などを維持することができた」と話した。
泉涌寺の上村貞郎長老(84)は「私の代に修理をしていただき、感謝の気持ちでいっぱいだ。並外れた集中力が感じられる俊芿律師が書いた文字を後世に長く残していきたい」と話していた。
(2023年5月6日付 読売新聞朝刊より)
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