文化庁、宮内庁、読売新聞社が推進する「紡ぐプロジェクト」の文化財修理助成事業で30日、京都・大雲院所蔵の重要文化財「正親町天皇宸翰御消息」の修理が完了し、京都国立博物館(京都市)で関係者が確認した。
室町時代末期~桃山時代に在位した正親町天皇の自筆文書で、皇子や皇女の養育に関わる事柄が記されている。多数の横折れが生じるなど傷みが激しく、昨年4月から同博物館内の修理所「松鶴堂」で修理。裏打ち紙を交換し、横折れの裏面を和紙で補強するなどした。この日は、大雲院の佐藤善穣住職や修理技術者らが修理した部分を確認した。
佐藤住職は「横折れが消えて見違えるようになった。美しい姿を後世に伝えていきたい」と話していた。
(読売新聞大阪本社編集委員 水谷工、撮影・写真部 川崎公太)
2020年3月31日付読売新聞朝刊より掲載
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