2020.11.5

前田利家の陣羽織を修理のため解体、薄い和紙と絹で風合い保つ

「刺繍菊鍾馗図陣羽織」を前に、今後の修理方針を話し合う関係者ら(4日、京都国立博物館・文化財保存修理所で)

文化庁、宮内庁、読売新聞社による「紡ぐプロジェクト」の文化財修理助成事業で、昨年度に修理が始まった前田育徳会(東京都目黒区)所有の重要文化財「刺繍ししゅう鍾馗しょうき図陣羽織」について、関係者らが4日、京都国立博物館(京都市東山区)の文化財保存修理所で進捗しんちょく状況を確認した。

「鍾馗」の刺繍の裏側には、制作当時の紙が残っている

戦国武将の前田利家が羽織ったと伝わる桃山時代の陣羽織で、前面に菊の花、背面に魔よけの神とされる「鍾馗」がデザインされている。表側の生地が所々欠けており、修理では、いったん解体して裏側に薄い和紙を貼った。今後は、和紙の上から薄い絹をあてて補強し、仕立て直す。

菊の刺繍は前田利家の妻・まつが施したものという伝承もある

前田育徳会の菊池浩幸さんは「風合いを損なわない高い技術で修理が進められている。完成が楽しみ」と話した。

2020年11月5日付読売新聞から掲載

(読売新聞文化部 藤本幸大、撮影・写真部 川崎公太)

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