比叡山の麓の集落で古くから暮らしてきた「八瀬童子」に関する資料を紹介する特別展「八瀬の歴史をまもり、伝える」が京都市上京区の京都市歴史資料館で開かれている。6月4日まで。
八瀬は現在の京都市左京区八瀬に位置する集落。平安時代には延暦寺を訪れる貴族らのために
会場では、古文書などで構成される国重要文化財「八瀬童子関係資料」を中心に約35点を展示する。歴代天皇の綸旨に加え、織田信長から出された地域の安全を保証する「禁制」、江戸幕府が年貢の免除を認めた「裁許状」などから、特別な地域として位置づけられていた八瀬の歴史を知ることができる。
天皇の葬儀や即位儀式で着用した装束なども紹介。これらの資料は集落や資料館で大切に保管され、破損した際も専門家が修理してきた。歴史的価値を保つための文化財修理の方法や意義にも触れる。
(2023年5月11日付 読売新聞大阪版夕刊より)
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