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2026.4.3

マンションに工芸 飾って支援 — ブランド戦略・伝統保護 両立

共用ラウンジに飾られたオブジェと担当者の恩田智大さん=和田康司撮影

マンションを、江戸切子や江戸鼈甲べっこうが彩る――。三菱地所レジデンスが進める「伝統工芸応援プロジェクト」の物件「ザ・パークハウス 亀戸九丁目」(東京都江東区)が完成し、内覧を受け付けている。東京都内でも工芸が盛んな地域の特色が生かされている。(清川仁)

外廊下には江戸切子風の柄があしらわれている

プロジェクトは分譲マンションの共用部分に、伝統工芸の職人が制作したアートを設置する取り組み。同物件では、1階の共用ラウンジの壁面を、1802年創業の「江戸鼈甲屋」の江戸鼈甲と、「堀口切子」の江戸切子を組み合わせたアート作品が飾っている。9丁目にちなんで六角形の鼈甲が9個並び、中央の江戸切子は、時間や角度によって見え方が異なるという。また、各階エレベーターホールの階数表示を、それぞれ形の異なる江戸鼈甲を使って表した。

階数表示に鼈甲が使われている

プロジェクトは、三菱地所レジデンスで企業ブランド戦略を担当する恩田智大さんが発案。伝統工芸支援をしながら、マンションの付加価値向上を狙えると、社内の物件開発担当に呼びかけてきた。各地の職人を登場させている同社の機内誌広告制作を通じて、伝統工芸の厳しい現状を知ったという。

完成物件は亀戸が初めて。〔2026年〕3月上旬販売開始、5月引き渡しの予定で、現在内覧が可能だ。このほか、「ザ・パークハウス」の「王子」(東京都北区)のエントランスラウンジに薩摩和紙のアートを施し、「新宿富久町」(同新宿区)のエントランスアートに曲木まげき彫刻を採用し、各階エレベーターホールの階数表示を南部鉄器の職人が制作する。ともに年内完成予定。

(2026年3月1日付 読売新聞朝刊より)

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