現代美術家の横尾忠則さん(87)の新作を展示する「横尾忠則 寒山百得」展が〔2023年9月〕12日、東京都台東区の東京国立博物館表慶館で開幕する。中国・唐の伝説的な詩僧の寒山と拾得を個性豊かな解釈で描いた新作102点を一挙に初公開する。
伝統的には、寒山は巻物、拾得はほうきを持った姿で描かれることが多い。だが横尾さんが表現する2人は、トイレットペーパーや掃除機を持ったり、ドン・キホーテとサンチョ・パンサに扮したりと自由自在。マネやピカソなど美術史に残る画家の作品から着想を得た色鮮やかな絵もある。
11日に開かれた内覧会=〔トップ〕写真=の参加者は、伝統的な画題と「横尾ワールド」の掛け合わせの妙に見入っていた。12月3日まで。
(2023年9月12日付 読売新聞朝刊より)
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