金沢市の国立工芸館で好評を博した企画展「ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―」の巡回展が〔2023年〕7月25日から、米・ロサンゼルスにある外務省の日本文化発信拠点「ジャパン・ハウス ロサンゼルス」で始まる。ポケモンを題材とした工芸作品が、海を越えて披露される。来年1月7日まで。
同工芸展は金沢で〔2023年〕3月21日~6月11日に開催され、若手から人間国宝まで20人の工芸作家が参加。金工や漆工、染織などの技を駆使した約70点を出品し、約9万5000人が訪れた。
米国では、2回の展示替えをし、金沢会場の全出品作品を展示する。金工家の吉田泰一郎さんが手がけた「イーブイ」と進化形の計4点の大型作品や、陶芸家の桝本佳子さんが制作した「リザードン」の信楽焼などが登場する。
国立工芸館の唐沢昌宏館長は「ポケモンを通して、日本の工芸の奥の深さを海外の人に伝えたい」と力説。初めて外国で作品を見せる作家も多いといい、「海外の意見に触れることで、作家たちも自らが追求してきた日本の技法を再認識できるのではないか」(唐沢館長)と期待を込めている。来年以降、国内での巡回展も予定している。
(2023年7月2日付 読売新聞朝刊より)
0%