上方落語の林家再興から111周年を記念して、「1」並びの〔2023年〕11月11日、大阪市北区の天満天神繁昌亭で一門会が開催される。現在の一門を率いる四代目染丸の弟子たちが勢ぞろいし、林家ゆかりの演目を披露する。
上方落語の林家は、幕末に江戸落語の初代正蔵門下から分立し、初代正三から五代続いた。明治になると衰退し、1912年に五代目笑福亭松喬が笑福亭一門を離れて二代目林家染丸を襲名し、復活させた。
四代目染丸は弟子13人だけでなく、寄席囃子の囃子方の育成にも力を注いできた。脳梗塞を発症してからは高座から遠ざかっており、「先人の功績をたたえ、四代目を勇気づけよう」と弟子らが公演を企画した。
11月11日は二代目染丸の命日にあたり、公演は、昨年11月に急逝した市楼(五代目染語楼を追贈)の一周忌追善を兼ねる。
四代目染丸の筆頭弟子・染二による「景清」、花丸による二代目染丸の十八番「電話の散財」など4席。二代目染丸のレコードや五代目染語楼の高座の映像を流してしのび、囃子方も加わって住吉踊りで締めくくる。
一門会開催の報告を受けた療養中の四代目染丸は「ええことやなあ」と笑顔を見せたという。染二は「林家の屋号をさらに大きくし、師匠にも喜んでもらいたい」と意気込みを語った。午後6時開演。(電)06・7850・8849。
(2023年10月25日付 読売新聞朝刊より)