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2023.7.11

国立文楽劇場(大阪市)で7月に「やってみる文楽」…演者体験に重点を置いて初開催

2023年6月、国立文楽劇場で上演された「仮名手本忠臣蔵」。体験教室では主遣いの吉田簑二郎さん(手前)らベテラン演者が指導する(同劇場提供)

国立文楽劇場(大阪市中央区)は7月、中学生以上の希望者を対象に、人形浄瑠璃文楽の太夫、三味線、人形遣いの「三業」の芸をベテラン演者から学ぶ体験教室「やってみる文楽」を初開催する。後継者不足が危ぶまれるなか、直接触れてもらうことで、文楽に対する若者の関心を高める狙いがある。

養成制度受講生 今年度ゼロに

同劇場を運営する日本芸術文化振興会は1972年から、文楽の伝承者を養成する制度を導入している。中学卒業以上、原則23歳以下の男性を対象に2年間の研修を実施しているが、近年は応募者数の低迷が続く。今年度は開始以来初めて、受講生がゼロとなった。

危機感を募らせる同劇場が体験教室を企画。これまでも舞台鑑賞教室などは開いてきたが、演者体験に重点を置いた取り組みは初めてだ。

男女15人程度の参加者を募り、7月17日午後2時から2時間程度、同劇場ロビー、小ホール、楽屋などで、講師役の豊竹藤太夫さん、竹沢宗助さん、吉田簑二郎さんらに義太夫節の語りや三味線、人形操作の基礎を教わる。

同劇場は「今後は小学生と保護者にも対象を広げる予定。演者体験をきっかけに文楽の面白さを若い世代に伝え、ファン開拓にもつなげたい」としている。

(2023年6月12日付 読売新聞夕刊大阪版より)

※参加者の募集は締め切りました。

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