今年度の重要無形文化財保持者(人間国宝)、選定保存技術保持者・保存団体の認定書交付式が1月14日、東京都千代田区の東京会館で開催された。
交付対象となったのは重要無形文化財保持者4人、選定保存技術保持者6人、保存団体1団体。
式では、都倉俊一文化庁長官が「無形文化財や保存技術など形のない技は生身の人間が伝えなければ未来に残すことができない。優れた技を体得された皆様には、我が国の伝統や技術、文化財を永続させるため、過去から未来にバトンをつなぐ大切な役割を担っていただきたい」とねぎらった。
人間国宝の代表として、人形浄瑠璃文楽の人形遣いの桐竹勘十郎(本名・宮永豊実)さんは「認定をさらなる力として、技を磨き、次の時代の人たちに正しく受け継ぐことが私たちの責務。すばらしい日本の文化が、ますます発展継承されることに微力ながら寄与したい」と述べた。
表具用木製軸首製作の選定保存技術保持者、花輪滋實さんは「職人として技術や感性を養い、しっかりとした仕事をしてきたことが認定につながったと思う。後継者も育ってきており、後世に伝承できる環境を整えて参りたい」と力を込めた。
【重要無形文化財保持者】
琉球舞踊
茶の湯釜 角谷勇圭(同・勇治)
【選定保存技術保持者・保存団体】
美術工芸品保存箱
在来絹製作 志村明
表装建具製作 村上潤一
漆工品修理 北村繁
(2022年2月17日付 読売新聞朝刊より)
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