六甲山の麓、JR新神戸駅近くに2014年に移転開館した「竹中大工道具館」は、
日本で唯一の大工道具の博物館として、竹中工務店が神戸・中山手に同館を開いたのは1984年。高度経済成長につれて木造建築が減少し、電動工具が普及する中、「このままでは伝統的な
伝統とモダンな要素を取り入れた重厚な建築物の同館は、古代からの大工道具の歴史をたどる「歴史の旅へ」、大工のまとめ役である
圧巻は、大工が標準的な木造建築を作るのに必要とした179点の鑿、鉋、ノコギリなどの道具を一面に並べたガラスケース展示だ。「これだけ多くの種類を使い分け、
昭和を代表する宮大工の西岡常一氏が使った道具や図面も紹介。西岡氏の貴重な肉声を聴けるコーナーでは「木のクセを見抜いて用途に合った素材を組むことが、建物を長く維持させることにつながる」という大工の極意に触れることができる。
もう一つの目玉は、国宝・唐招提寺金堂の柱と軒を原寸大で再現した建築模型だ。高さ7メートルの柱模型は建物内の吹き抜けに立っており、軒を支える木組みを目線の高さでじっくり見たり、地下フロアから見上げたりできる。
館内には来場者向けに木工教室を行う工房も備え、
入館料は一般500円。月曜休館。問い合わせは同館(078・242・0216)。
(2021年2月7日読売新聞より掲載)
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