歌舞伎などの演劇、映画の資料を扱う松竹大谷図書館(東京都中央区)は、戦前の歌舞伎座の絵本番付と筋書(劇場プログラム)をデジタル保存するため、インターネットで撮影や制作費などを募るクラウドファンディングを始めている。
対象は、明治22(1889)年に開場した東京歌舞伎座の、明治23年から昭和19年までの劇場プログラム。江戸時代からの伝統を引き継ぎ、明治初期は演目を描いた挿絵と配役を掲載した木版刷の「絵本番付」が発行されていたが、印刷技術の進歩にともない、配役とあらすじが掲載された活版印刷の「筋書」も作られるように。大正時代には、筋書に出演俳優の写真や談話なども掲載され情報量が増えていった。
現在も歌舞伎の制作などに活用されるなど、一次資料として大切に保存されてきたが、年々劣化が進み、デジタル保存することとなった。
目標額は250万円で、立命館大アート・リサーチセンターがデジタル撮影し、インターネット上で一般公開する。原本は特製の保存容器に入れて館内で保存する。
募集金額は一口3000円~5万円で、支援額に応じて図書館の見学会への招待や、歌舞伎や映画の台本の表紙デザインを使った文庫本カバーのプレゼントなどを受け取ることができる。期間は10月28日まで。
詳しくは、支援サイトへ。
https://readyfor.jp/projects/ootanitoshokan9
松竹大谷図書館は、1958年の開館。演劇・映画専門の私立図書館で、台本やプログラム、写真、文献などの資料を公開している。
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