2020.6.12

奈良国立博物館 特別公開「文殊菩薩騎獅像」―内部に別の像を発見!

奈良国立博物館(奈良市)は6月2日から、名品展「なら仏像館 珠玉の仏たち」の展示を再開した。中でも特別公開された「文殊もんじゅ菩薩ぼさつ騎獅像きしぞう・十一面観音菩薩立像りゅうぞう(京都・大智寺だいちじ所蔵)」は、最近のX線CTスキャン調査で内部に極小の文殊菩薩像が納められていることがわかり、注目を集めそうだ。

大智寺の文殊菩薩騎獅像(奈良国立博物館提供)

京都府木津川市にある大智寺は、鎌倉時代に西大寺の僧・慈真じしん(1231~1316)を開基として創建されたと伝わる。本堂の厨子ずし内に安置される本尊文殊菩薩騎獅像は、寺の創建期にさかのぼる鎌倉時代の優れた品で、国の重要文化財に指定されている。

2019年秋から始まった本堂の改修に際し、本像と十一面観音菩薩立像(重要文化財・平安時代)を奈良博が一時的に預かり、調査に着手。今年2月に文殊菩薩騎獅像のCT調査を実施したところ、像内に厨子入りの文殊菩薩像や巻子かんす(巻物)状の品など、複数の納入品が確認された。

像は全身に入念な彩色さいしきが施され、底には板が貼られている。そのため、像の内部をうかがうことはできないが、今回のCT調査により納入品の詳細が明らかになってきた。

文殊菩薩騎獅像のCTスキャン画像。首の部分に、極小の文殊菩薩像を納めた厨子がある(奈良国立博物館提供)

特に注目されるのは、首の部分(首枘くびほぞ)に納められた極小の文殊菩薩像(像高約2.7センチ)や、体部に納入されている紙を何重にも折りたたみ包紙でつつんだ長方形の品だ。調査によって、包紙に書かれた文字の一部を読み取ることができ、「金剛般若経こんごうはんにゃきょう」の注釈書に記される真言であることが分かった。

像の保存状態が良好で修理の必要がないため、納入品を取り出すことはできないが、像とともに後世へ伝えてゆくべき貴重な文化財といえる。

公式サイトはこちら

開催概要

日程

2020.6.2〜

会場

奈良国立博物館 なら仏像館
〒630-8213
奈良市登大路町50番地

料金

一般 700円、大学生 350円
高校生以下および18歳未満、満70歳以上、障害者手帳を持つ人(介護者1人を含む)は無料

親子割引あり(高校生以下および18歳未満の人と一緒に観覧する場合は一般100円引き、大学生50円引き)

奈良国立博物館のWEBチケットはこちら
公式チケットサイト/

休館日

毎週月曜日(休日の場合はその翌日、連休の場合は終了後の翌日)

開館時間

10時30分~16時(入館は閉館の30分前まで) ※7月3日(金)まで

お問い合わせ

050-5542-8600(ハローダイヤル、8~22時・年中無休)

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