皇居三の丸尚蔵館(東京都千代田区)が収蔵する美術工芸品の中から、国宝や、皇室と北海道のつながりを伝える作品などを集めた「皇居三の丸尚蔵館展 皇室の至宝 北海道ゆかりの名品」が道立近代美術館(札幌市中央区)で開かれている。見どころの作品を3回にわたり紹介する。
日向灘や高千穂といった天孫降臨神話の舞台とされる地に始まり、出雲、橿原神宮、法隆寺、春日大社、宇治平等院から京都に入って、伊勢神宮、五十鈴川、宮城(皇居)、富士を巡り、海上に渦巻く風雲から顔をのぞかせる月輪までが描かれている、全長27メートルに及ぶ絵巻だ。
これらは皇室ゆかりの地で、大八洲(日本の古称)の創成と、皇室の歴史が織りなす壮大な景観が展開されている。
日本の歴史と風土を讃える意図をもって制作された。再興28回院展に出品後、大観本人が献上を願い出た。(道立近代美術館上席専門員・久米淳之)
〔2024年10月〕27日まで。道立近代美術館(011・644・6882)。
(2024年10月20日付 読売新聞朝刊より)
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