人形浄瑠璃文楽の太夫、三味線、人形遣いの「三業」の芸を、ベテラン演者から直接学ぶ体験教室「やってみる文楽」が国立文楽劇場(大阪市中央区)で初開催された。7月17日の初回は、13~27歳の男女19人が参加。8月17日には小中学生を対象にした2回目が開かれる。
今年度は、文楽の担い手を育てる伝承者養成制度の受講生が集まらず、将来の後継者不足が危惧されることから、若者に文楽の魅力を知ってもらう機会にと、劇場が企画した。
初回は、参加者が3班に分かれて、講師役の豊竹藤太夫、竹沢宗助、吉田簑二郎らから、文楽の「三業」の基本を教わった。
人形遣いの体験では、ペットボトルを人形の足に見立てて動かし、歩く、立ち上がる、座るなどの動作を習得。3人一組で2体の人形を動かして、
太夫の基本である発声法も学んだ。藤太夫が「
最後に、参加者の代表が小ホールの舞台に上がり、藤太夫ら演者と一緒に「
兵庫県西宮市の中学1年女子生徒(13)は「これまで5回ほど文楽の公演を見て、人形遣いによって命を吹き込まれる人形の姿に感動したので参加した。自分で動かしてみて、動かし方次第で、人形に様々な表情が生まれることに気がついた」と話していた。
(編集委員 坂成美保)
(2023年7月28日付 夕刊大阪版より)
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