東京・半蔵門の国立劇場12月歌舞伎公演(4~26日)は松本
「盛綱陣屋」は大坂の陣で活躍した真田信之、幸村兄弟を鎌倉時代の武将、佐々木盛綱・高綱兄弟に置き換えた物語。敵味方に分かれた一族の悲劇が描かれる。白鸚は主人公の盛綱を28年ぶりに勤める。
2018年1月の「高麗屋三代同時襲名」で二代目白鸚を襲名し、19年に入ってからは、1月に「一條大蔵
幸四郎は「盛綱陣屋」ではすっきりとした二枚目の注進(戦況を報告する役)を勤める。そして、その次に上演される「蝙蝠の安さん」では、タイトルロールの主人公を演じる。
今回が初演ではなく、昭和初期に十三代目守田勘弥の主演で上演された作品(作・木村錦花)を88年ぶりに復活させる。
顔に蝙蝠の入れ墨を彫った主人公は古典の「
映画に出てくる巨大な銅像を大仏に変えたり、ボクシングの場面を相撲にしたりするなど、物語は和風になっており、「(歌舞伎として)十分に上演が可能だと思った」と幸四郎は言う。
安さんの衣装は「東海道四谷怪談」の登場人物、与茂七の「つぎはぎ」の着物を参考にしてデザインし、さらには上方歌舞伎「
幸四郎は「現状のままでも(許可を取らずに)上演することはできたが、チャップリンの映画が原作と明示することにこだわった」と、丁寧に関係者にコンタクトを取り、生誕130周年と命日(12月25日)という絶好のタイミングでの上演が実現することになった。
12月の歌舞伎公演は、歌舞伎座で坂東玉三郎主演の「本朝白雪姫
公演は午前11時半開演。また、12月6、13、20、24日、25日は、午後7時から「Chaplin KABUKI NIGHT」と銘打ち、「蝙蝠の安さん」を単独で上演する(読売新聞協賛)。劇場ロビーではチャップリン関連の資料や「蝙蝠の安さん」が連載された当時の読売新聞の記事パネルなどを展示。専用パンフレットも販売する。24、25日には記念イベントも予定している。(敬称略)
(読売新聞文化部 森重達裕)
【深掘り 蝙蝠の安さん<上>】映画は上映前?!新聞小説が歌舞伎になった「安さん」とチャップリン熱狂時代
https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_l/2019/12150.html
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