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2024.1.11

1日限り「国宝の共演」文楽 — 桐竹勘十郎さんと富山・勝興寺本堂

「本朝廿四孝」の「奥庭狐火の段」を演じる桐竹勘十郎さん(中央)(富山県高岡市で)

2022年12月に国宝に指定された勝興寺本堂(富山県高岡市)で昨年〔2023年〕 11月28日、人形遣いの重要無形文化財保持者(いわゆる人間国宝)桐竹勘十郎さんによる文楽の公演が行われた。インバウンド回復を促進する観光庁の観光再始動事業の一環で、1日限りの「国宝の共演」に、外国人を含む観客約100人が魅了された。

「伊達娘恋緋鹿子」の「火の見櫓の段」 人形遣いは吉田勘弥さん(富山県高岡市で)

特設舞台で、上杉謙信の娘・八重垣姫の一途いちずな恋心を描いた「本朝ほんちょう廿四孝にじゅうしこう」の「奥庭狐火おくにわきつねびの段」を上演、神の使いのキツネの霊力が乗り移った八重垣姫が、赤い衣装から白い衣装への早変わりを披露した。 八百屋の娘・お七が恋人の命を助けたい一心で、火の見やぐらに登って半鐘を打ち鳴らす場面が見どころの「伊達娘だてむすめ恋緋鹿子こいのひがのこ」の「火の見やぐらの段」では、草木染の人形の衣装も目を引いた。

(2024年1月7日付 読売新聞朝刊より)

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