文化庁、宮内庁、読売新聞社による「紡ぐプロジェクト」の文化財修理助成事業で、鹿島神宮(茨城県鹿嶋市)所蔵の国宝「直刀黒漆平文大刀拵」の修理が完了し、25日、保管先の茨城県立歴史館(水戸市)で関係者に報告された。
「直刀 黒漆平文大刀拵」は総長約2・7メートル。平安時代までに作られたと推定される。
今回、刀を収める拵(鞘や柄などの外装)の修理が行われた。2019年から約2年かけて、漆工芸家で修理技術者の北村繁さん(49)が担当。奈良国立博物館(奈良市)文化財保存修理所で、劣化した漆塗りの亀裂を塞ぎ、剥落を防ぐ処置などを施した。
鹿島神宮の出頭勝宏・権禰宜(48)は「一流の技術者に修理していただき、きれいになった。大変ありがたい」と感謝していた。