本展のみどころ
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縄文から江戸まで土偶も名刀も。日本の宝、いざ集結!
日本の美の源流である縄文時代の造形から、仏教美術、中世の水墨画や絢爛豪華な桃山絵画、書跡、刀剣・甲冑・漆工・染織・陶磁器まで、幅広い時代と多様なジャンルの国宝作品によって、日本の美の歴史を辿ります。
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教科書でみた、あの国宝が一堂に。約130件を展示!
金印「漢委奴国王」、新潟県出土の火焔型土器、神護寺蔵「伝源頼朝像」、狩野永徳の「唐獅子図屏風」、尾形光琳の「燕子花図屏風」…。一度は見たことのある、あの国宝たちが目の前に。
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リニューアルした美術館で、ついに大阪初の国宝展が実現!
大規模な国宝展としては公立館として初、そして大阪でも初となる国宝展が、ついに実現します。本展では大阪の国宝も一挙に公開。一新された展示空間で心ゆくまでご堪能ください。
I
ニッポンの国宝
―美の歴史をたどる
日本美術のデザイン―造形の力
《大阪・関西万博》のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」にちなみ、日本美術の造形にみるデザインに注目します。素材の制約や常識を超えた大胆なフォルムの本阿弥光悦作「舟橋蒔絵硯箱」、現在に至るまでインスピレーションを与え続けている尾形光琳の「燕子花図屏風」…。デザインに具わる力強い輝きは、今なおわたしたちを照らしてくれます。
火焔型土器
縄文時代 新潟・十日町市(十日町市博物館保管)
舟橋蒔絵硯箱
本阿弥光悦作 江戸時代 東京国立博物館蔵 画像提供:東京国立博物館/Image: TNM Image Archives
燕子花図屏風
尾形光琳筆 江戸時代 東京・根津美術館蔵 [展示期間:6月3日~6月15日]
日本美術の巨匠たち
雪舟、岩佐又兵衛、狩野永徳、長谷川等伯…。誰もが一度は耳にしたことのある日本美術の巨匠たちの作品がずらりと並びます。彼らが生きた時代の息吹と、作品にみなぎる圧倒的な力を、心ゆくまでご堪能ください。
秀吉が毛利輝元へ贈った陣屋屏風と伝わる、破格の大きさの永徳代表作
唐獅子図屏風(右隻、部分)
狩野永徳筆 桃山時代 東京・皇居三の丸尚蔵館収蔵
圧倒的な筆力を誇る、日本初の本格的水墨画家あらわる
四季山水図巻(山水長巻、部分)
雪舟筆 室町時代 山口・毛利博物館蔵
13羽の鶏が織りなす強烈なインパクト
動植綵絵 群鶏図
伊藤若冲筆 江戸時代 東京・皇居三の丸尚蔵館収蔵
いにしえ文化きらきらし
いにしえの作品は、現代人には思いもよらぬ形と彩りをそなえます。既存の文化と海外からの多大な影響とのはざまで生み出されてきた日本の作品は、きらきらとした華を咲かせるべく自らの境地を模索してきました。独特な造形感覚による土偶、高度な加工技術による金工品、精緻な蒔絵や染織品などの名品の数々をご紹介します。
このおしりを見よ
土偶(縄文のヴィーナス)
縄文時代 長野・茅野市(茅野市尖石縄文考古館保管)
神に捧げられた萌黄色の宝物
衵 萌黄小葵浮線綾丸文二重織(古神宝類のうち)
南北朝時代 和歌山・熊野速玉大社蔵
美は細部に宿る。最小の国宝
金印「漢委奴国王」
弥生時代 福岡市博物館蔵
蒔絵で描く日本の楽園
蒔絵箏(本宮御料古神宝類のうち)
平安時代 奈良・春日大社蔵
祈りのかたち
わが国では、神道と仏教が厚く信仰され、祈りのかたちが様々な造形となってあらわれました。平安貴族の洗練された美意識が表れた仏画の名品や、六道に堕ちる恐怖が生み出した地獄草紙、奇譚を描く絵巻物など、各時代を代表する珠玉の名品の数々をご紹介します。また、全国の神社仏閣で多く造られた仏像や神像をはじめとする彫刻作品は、天井の高い特別展示室に広々と展示。美術館に居ながらにして信仰のパワーみなぎる清浄なる空間をぜひ体感してください。
優美にして繊細なる平安仏画の傑作
孔雀明王像
平安時代 東京国立博物館蔵 画像提供:東京国立博物館/Image: TNM Image Archives
截金文様が煌びやかな女性の護り仏
普賢菩薩騎象像
平安時代 東京・大倉集古館蔵
米蔵が空中を飛行する奇想天外なストーリー!
信貴山縁起絵巻(飛倉巻、部分)
平安時代 奈良・朝護孫子寺蔵 画像提供:奈良国立博物館
和と漢
日本の中世は、伝統的な「やまと絵」に加えて、禅宗とともに中国から伝えられた水墨画が愛好された時代です。天皇や武家を描くやまと絵肖像画、足利将軍家御用絵師の水墨画、唐物として珍重された中国絵画の名品をご紹介します。
等身大のスケールから凛とした気品を放つ、日本肖像画の傑作
伝源頼朝像
鎌倉時代 京都・神護寺蔵
時の流れを写し留めた中国絵画の名品
紅白芙蓉図
李迪筆 中国・南宋時代 東京国立博物館蔵 画像提供:東京国立博物館/Image: TNM Image Archives
優雅なる日本の書
日本の書は漢字の伝来に始まりますが、日本語に合わせた仮名が生まれるなど、独自の歴史を歩んできました。平安時代に盛興した「和様」の書や、「高野切」に代表される流麗な仮名作品など、「日本の美」を紹介するにふさわしい名品を選りすぐって展示します。
王羲之の書風を伝える類稀なる作例
喪乱帖
(原跡) 王羲之 中国・唐時代摸 東京・皇居三の丸尚蔵館収蔵
古今和歌集の最古の写本、日本で生まれた仮名の美の最高峰
古今和歌集 巻第二十(高野切本、部分)
平安時代 高知県立高知城歴史博物館蔵
サムライ・アート
武士の誇りたる刀剣・甲冑。研ぎ澄まされた精神性を宿す日本文化の顔として今日も世界に知られています。金工、漆工、皮革加工等の複数の技術が総合して制作された作品群は、日本のハイテクノロジーの頂を示します。姿形、制作の流派、伝来の歴史を堪能できる名品の数々をご紹介します。
勇壮、無双、千年譚
赤韋威鎧
平安時代 岡山県(岡山県立博物館保管)
姿で魅せ、刃文で語る
太刀 銘久国
鎌倉時代 国(文化庁保管)
II
おおさかゆかりの国宝
―大阪の歴史と文化
古墳時代、大陸からの技術や仏教などの文化は、海外への玄関口であった難波津から大和朝廷へともたらされ、全国へと広まりました。以後、大陸や諸国との交易拠点であった大阪は、経済・文化の中心的都市となり発展してきました。大阪の社寺には多数の国宝の宝物が所蔵されており、大阪が古代より続く長い歴史の中でいかに重要な役割を担ってきたかを示しています。また、藤田美術館に代表される大阪の実業家らによる蒐集品は、昭和25年(1950)に国が文化財保護法を制定する以前に、巨額の私財を投じることで破壊や盗難、海外への流出から免れた文化財です。大阪で初めて開かれる国宝展である本展では、大阪の歴史や文化の厚みを示すべく、大阪にゆかりの深い国宝を一挙公開します。
ボリュームたっぷりな平安初期の名像
薬師如来坐像
平安時代 大阪・獅子窟寺蔵 画像提供:東京国立博物館/Image: TNM Image Archives
砧を打つ音を詠んだ詩から「万声」と名づけられた、砧青磁の最高峰
青磁鳳凰耳花生 銘 万声
中国・南宋時代 大阪・和泉市久保惣記念美術館蔵
八百万の神が宿る日本の原風景。自然の生命の躍動が聞こえる
日月四季山水図屏風
室町時代 大阪・金剛寺蔵
特別展示
皇居三の丸尚蔵館収蔵品にみる万博の時代
皇居東御苑内にある皇居三の丸尚蔵館は、皇室に代々受け継がれた絵画・書・工芸品などを中心とした美術品類を収蔵、展示公開しています。本展では皇居三の丸尚蔵館の収蔵品の中から、1900年のパリ万博への出品作や明治期の内国勧業博覧会への出品作等をご覧いただきます。
重要文化財 太平楽置物 海野勝珉
明治32年(1899) 東京・皇居三の丸尚蔵館収蔵
日本の美を未来へ
―紡ぐプロジェクト
失われた障壁画もCGで再現することに挑戦!
迫力ある映像体験
京都・智積院に伝わる「桜図」「楓図」は現存する国宝の金碧障壁画として極めて優れた作品です。大阪にゆかりの深い豊臣秀吉の嫡子で夭折した鶴松の菩提を弔うため描かれたといわれています。(両作品とも展示) 本展では火災で失われた障壁画もCGで実寸大の再現に挑戦。さらに咲き誇る桜や秋草が風で舞い、揺らぎ、雪が降るといった四季折々の美しさを没入感ある映像で表現します。華やか、かつ豪放でありながら世の無常をも感じさせる作品を、大切に守りつないできた先人たちの思いとともに迫力ある映像で体感してください。
- ※会期中、一部の展示替えを行います。
- ※展示作品、会期などについては諸事情により変更する場合があります。