重要文化財 如意輪観音菩薩坐像(部分) 平安時代 11世紀 大阪・大門寺蔵 撮影:佐々木香輔
スペシャル
Special
展覧会ナビゲーター・MISIAさんが来場
密教美術の圧倒的存在感と祈りへの思い語る
7月30日(木)にプレス取材会が行われ、本展の展覧会ナビゲーターを務めるMISIAさんが来場しました。取材会では展示作品への感想のほか、28日(火)に発生した熊本地震にも思いを寄せ、「祈り」について思いを語りました。
国宝《五智如来坐像》(京都・安祥寺蔵)の前で行われた取材会の様子
「言葉を失うほど見惚れた」密教美術の圧倒的存在感
今回初めて展覧会会場を観覧されたMISIAさん。実際に展示作品をご覧になり、「写真では分からない質感や色彩、表情や眼差しを間近で目にすることができ、非常に圧倒されるとともに感動と驚きがたくさんありました」と感想を話されました。
拝観するのを楽しみにしていたという、日本最大級の白描図像・重要文化財《五大力菩薩像》(和歌山・普賢院蔵)と超絶彫技の秘仏・国宝《薬師如来坐像》(京都・仁和寺蔵)については、「《五大力菩薩像》はその大きさと存在感に圧倒され、足が離れてしまうほどの力強さを感じました。《薬師如来坐像》は、360度じっくり見られる機会は滅多にないので、時間を忘れて見惚れてしまいました。」と印象を語りました。
特に印象に残った作品として、彫刻・金工・彩色などの当代一流の技術が凝縮された宮中ゆかりの仏像・重要文化財《聖観音菩薩・梵天・帝釈天立像(二間観音)》(京都・教王護国寺[東寺]蔵)と、経文の一文字ごとに仏の姿が並べて描かれた国宝《一字一仏法華経序品》(香川・善通寺蔵)を挙げ、「二間観音の緻密な技術と想いには言葉を失うほど魅了されました。一方で《一字一仏法華経序品》のような親しみやすく愛らしい作品もあり、非常に幅広い作品に触れることができました。」と話されました。
本展の見どころの一つである「秘仏」については、「普段目にすることができない存在ですが、人々が大切に祈りを捧げて守り続けてきた静かな時間の積み重ねと存在感を感じました。美術品を見るというだけでなく、"お会いさせていただいた"というような気持ちになりました。」と語りました。
会場を観覧中のMISIAさん
奥の壁面の作品は重要文化財《五大力菩薩像》(和歌山・普賢院蔵)
国宝《薬師如来坐像》(京都・仁和寺蔵)を鑑賞するMISIAさん
音声ガイドへのこだわり「密教の世界への『架け橋』になれるように」
本展の音声ガイドも担当したMISIAさんは、収録時に意識した点について次のように明かしました。「私自身、音声ガイドを通じて作品の背景を知ることで見え方が大きく変わりました。同じように、初めてご覧になる方にとっても、この魅力的な世界へ入る入り口や架け橋になれるよう、分かりやすく言葉を選びながら務めさせていただきました。」
取材会に同席した、本展担当の東京国立博物館・児島大輔研究員も「MISIAさんのとても可愛らしいお声が展覧会の世界観に非常にマッチしており、鑑賞者の心に寄り添うガイドになっています。」と語りました。
「音楽も一つの祈り」。被災地を思い「共に祈り、意識を強くして乗り越えたい」
昨年、NHKの音楽番組で金剛峯寺・根本大塔から愛と平和への祈りを込め歌を届けたMISIAさん。密教の聖地での歌唱を振り返り、「今も昔も、人や世界の安寧を祈る気持ちに変わりはありません。ずっと祈られてきた場所で音楽を奉納することで『音楽もまた一つの祈りなんだ』と感じました。」と話されました。
長崎県出身のMISIAさんは、熊本で発生した地震にも触れ、丁寧に言葉を紡ぎながら被災された方々へ思いを寄せました。「それぞれ、いま自分ができることと向き合われていると思うんですけれど、どうかご無事でいてほしい、温かい想いや助けがそばにあってほしい。意識というものは行動にも繋がっていくものだと思いますので、皆で共に祈り、意識を強くして、助け合い、想い合って乗り越えていこうという気持ちになります。」
国宝《一字一仏法華経序品》(香川・善通寺蔵)を鑑賞するMISIAさん
重要文化財 聖観音菩薩・梵天・帝釈天立像(二間観音)
鎌倉時代 13世紀 京都・教王護国寺[東寺]蔵 通期展示
画像提供:便利堂
来場者へメッセージ「自分と向き合う、静かな時間が訪れます」
最後に、本展へ来場される方々へ向けては、「ここに来ていただいて見るだけで、色々と感じるものがあると思います。展示空間で自分自身と向き合ったり、忙しい日々のなかで静かな時間を過ごしていただけたらと思います。詳しい知識がない方でもこの世界に触れやすくなるよう、心を込めて音声ガイドを務めさせていただきました。皆様の静かで豊かな時間のお手伝いができていれば幸いです。ぜひ会場に足を運んで、この世界に触れてみてください。」とメッセージをいただきました。
展覧会オリジナルしおり(100円クーポン付き)を配布
展覧会ビジュアルをあしらったオリジナルしおりを配布いたします。しおりには本展でご利用いただける100円クーポンが付いており、読書と展覧会鑑賞の双方をお楽しみください!
配布期間 |
2026年7月14日(火)頃より配布開始
|
配布場所 |
ほか |
- ※画像はイメージです。
展覧会オリジナルうちわをプレゼント!
真言宗十八本山の寺紋をあしらった「空海と真言の名宝」展オリジナルうちわを来場者の皆さまへプレゼントいたします。本展ならではの特別なデザインで、夏のひとときを涼やかにお過ごしいただけます。
いずれも数量限定のため、なくなり次第終了となります。
①開幕記念プレゼント【配布終了】
下記配布期間の平日にご来場いただいた方を対象に、先着でプレゼントします。
配布期間 |
2026年7月14日(火)~8月7日(金)の平日 |
配布数 |
先着1,250名様/日 |
②夜間来場者限定プレゼント
比較的ゆったりと鑑賞いただける夕方以降、下記の時間帯にご来場の方へ、先着でプレゼントします。
対象 |
夜間開館日の17時以降にご入場の方 |
配布数 |
先着400名様/日 |
③追加プレゼント決定【NEW】
下記の時間帯にご来場の方へ、先着でプレゼントします。
配布日時 |
2026年8月25日(火)、26日(水)、27日(木)、29日(日)、31日(月)の15時以降にご入場の方 |
配布数 |
先着400名様/日 |
- ※いずれもお一人様1点限り。
- ※配布予定数に達し次第終了となります。
- ※画像はイメージです。
MISIAさんに聞く「空海と真言の名宝」の魅力
弘法大師空海によって開かれ、1200年以上にわたり受け継がれてきた真言密教の世界。
その歴史と信仰、美術の魅力に迫る特別展「空海と真言の名宝」の展覧会ナビゲーターを務めるMISIAさんに、収録を終えた感想や高野山との思い出、本展で楽しみにしている作品について伺いました。
収録では作品に込められた祈りや歴史について語ったMISIAさんから、来場者の皆さまへのメッセージをお届けします。
Q. 音声ガイドの収録を終えられて、いかがでしたか?
MISIA
私自身、一つ一つ勉強させていただきながらお話をすることができたので、とても学びの多い時間でした。今回は写真を見ながら収録を行いましたが、実際に会場で名宝の数々を見て、その空気や存在感を体感したいという気持ちがより強くなりました。
Q. 高野山との思い出についてもお話しいただきました。
MISIA
2015年高野山開創1200年記念の際に歌わせていただいたことや、2025年音楽番組で高野山から歌を届けた思い出についてお話ししました。高野山で歌唱した思い出は、私にとって大切な経験です。
Q. 本展で特に楽しみにしている作品はありますか?
MISIA
Q. 作品のどのようなところに魅力を感じますか?
MISIA
現代のように機械がない時代に、これだけの作品が人の手によって生み出されていることに驚かされます。一打ち一打ち、一筆一筆に祈りや願いが込められていたのではないでしょうか。その細部にまで宿る思いや祈りを感じながら鑑賞したいと思っています。
Q. 最後に、ご来場を楽しみにされている皆さまへメッセージをお願いします。
MISIA
作品の一つ一つには、受け継がれてきた祈りや思いが宿っていると思います。実際に作品を見て学ぶことで、その心を感じることができるのではないでしょうか。1200年以上という長い歴史の中で受け継がれてきた心を、ぜひじっくり感じながらご覧いただきたいです。そして作品と対話するような気持ちで向き合っていただけたらと思います。私も少しでも皆さまのお手伝いができるよう、心を込めて音声ガイドを務めさせていただきました。作品をご覧になる時間のお手伝いができていたら嬉しいです。
音声ガイドでは、MISIAさんご自身の高野山での思い出も交えながら、本展の見どころや作品の魅力をご案内いただいています。ぜひ会場でお楽しみください。
特別展「空海と真言の名宝」スペシャルトーク
弘法大師空海生誕1250年を記念して開催される特別展「空海と真言の名宝」。本展には、真言宗各派十八本山をはじめとする寺院から、空海ゆかりの名宝や秘仏が数多く集います。空海とはどのような人物だったのか。そして本展では何を見てほしいのか。
本展担当研究員の児島大輔(東京国立博物館 学芸研究部 保存科学課 保存修復室長)が、真言宗各派総大本山会代表総務 総本山金剛峯寺執行長 高野山真言宗宗務総長の今川泰伸さんと、本展展覧会音声ガイドのナレーションをつとめる大塚明夫さんに話をうかがいました。
空海とはどのような人物だと思いますか
今川
簡単に申し上げますと、お大師様は、この大きな宇宙そのものを命として捉え、その命を大切にすることを説かれた方です。そして、生きとし生けるものすべてが幸せになることこそが、真言密教の究極の教えであると示されました。そうした壮大な視野と大きな思想を持ったお方だと思っております。
児島
(司会)
ありがとうございます。大塚さんは、声のプロとして空海にどのような印象をお持ちですか。
大塚
肖像にもありますが、しっかりとした骨格で、首も太く、よく響く太い声をされていたんじゃないかなと思います。
児島
(司会)
空海の声を演じてほしいと言われたら?
大塚
仕事なら何でもやります(笑)。
展覧会ナビゲーター・MISIAさんとのご縁
児島
(司会)
今回、展覧会ナビゲーターに就任いただいたMISIAさんは、高野山とも深いご縁があるそうですね。
今川
2015年、高野山開創1200年の際に、MISIAさんは「世界遺産劇場」の一環として高野山でコンサートを開催してくださいました。2日間にわたり、多くの方々がその歌声に耳を傾けられました。それが、高野山とMISIAさんとのご縁の始まりだったと思っております。
児島
(司会)
そのご縁もありまして、今回のご協力につながっているのですね。大塚さんはいかがでしょうか?
大塚
偶然なんですが、私が出演しているアニメの映画の主題歌をMISIAさんが担当されているんです。
児島
(司会)
どちらもご縁があるということで、弘法大師のお導きでしょうか。
真言宗各派の総力で実現した展覧会
児島
(司会)
今回の展覧会は、真言宗各派十八本山が結集して開催される特別な機会でもあります。展覧会にかける思いをお聞かせください。
今川
準備には5年もの歳月がかかりました。関係者の皆さまのご尽力によって、ようやく開催の日を迎えることができます。今回の大きな見どころのひとつが、高野山に伝わる弘法大師坐像です。このお像が山を下りて展覧会に出品されるのは初めてのことになります。もともとは、ご開帳されたお像をご覧になった方から「ぜひ多くの方に見ていただきたい」というお話をいただいたことがきっかけでした。高野山には117の塔頭寺院があります。こうした寺宝をお貸しするためには、多くのご住職方のご理解とご承認が必要です。今回の出品にあたっては本当にたくさんの方々のお力添えをいただきました。私たちにとっても、大変意義深い展覧会になると思っています。
秘仏や名宝に込められた思い
児島
(司会)
今日ご紹介した作品のなかには、普段なかなか拝見することのできない秘仏や名宝も数多くあります。私たちは「この作品が出品されます」と当たり前のようにご紹介していますが、お寺や檀家の皆さまの中には、本来なら外に出したくないというお気持ちをお持ちの方も少なくないと思うんです。それでも弘法大師生誕1250年という大きな節目だからこそ、多くの方々がご理解くださり、「ぜひ多くの人に見てもらいたい」と送り出してくださいました。今回の展覧会は、そうした皆さまの思いによって成り立っています。そのこともぜひ感じていただければと思います。
大塚明夫さんが注目する仏像
児島
(司会)
大塚さんが気になっている作品はありますか。
大塚
見どころはたくさんありますが、まず愛染明王*ですね。なかなか拝見できる機会がありませんので、ぜひ見てみたいと思いました。明王というと厳しい表情や武器を持った姿を思い浮かべますが、この像は弓を天に向けていて、その姿が本当に美しい。何かを狙っているわけでもない、その絶妙なフォルムに惹かれました。そこには仏師の思いや祈りのようなものが伝わってくる気がします。
- *重要文化財 愛染明王坐像(山梨・放光寺蔵)
「一生かかっても見られないもの」が集まる展覧会
児島
(司会)
本展には、全国各地から貴重な仏像や寺宝が集まります。
大塚
普段なら「50年に一度」だったり、「一生に一度見られるかどうか」という秘仏や名宝がありますよね。本来なら、それぞれのお寺の御開帳に合わせて全国を巡らなければ見られないものばかりです。それを一度に拝見できるというのは、本当にすごいことだと思います。言い方は少し乱暴かもしれませんが、一生かかっても見られないようなものが、ここでは一度に見られる。そんな贅沢な機会はなかなかありません。
児島
(司会)
仏像ファンの方はもちろん、初めて真言密教に触れる方にとっても貴重な機会になりそうですね。
大塚
本当にそう思います。ぜひ多くの方に足を運んでいただきたいですね。
登壇者プロフィール
今川泰伸
真言宗各派総大本山会代表総務 総本山金剛峯寺執行長 高野山真言宗宗務総長。
大塚明夫
声優。東京都出身。アニメ、吹き替え、ナレーションに加え、俳優としても舞台等で幅広く活躍。主なアニメ出演作は「ブラック・ジャック」シリーズ(ブラック・ジャック)、「攻殻機動隊」シリーズ(バトー)、「ルパン三世 PART6」(次元大介)ほか 多数。デンゼル・ワシントンやニコラス・ケイジなどの吹き替えも務める。
児島大輔
本展担当研究員。東京国立博物館 学芸研究部 保存科学課 保存修復室長。
- *本展の音声ガイドは、大塚明夫さんによるナレーションでお楽しみいただけます。展覧会ナビゲーターのMISIAさんには音声ガイドでも高野山での思い出などを語っていただきます!














