重要文化財 聖観音菩薩・梵天・帝釈天立像(二間観音)(部分) 鎌倉時代・13世紀 京都・教王護国寺[東寺]蔵
展覧会紹介
Exhibition
みどころ
みどころ①
空海生誕1250年記念! 空海ゆかりの名宝や密教美術、密教図像を通して、空海の教えが日本全国に広く浸透し、その教えを守り伝え続けた1200年もの長きにわたる歴史を実感できる展覧会です。
みどころ②
真言宗が総力を挙げて開催。真言宗十八本山および関係寺院が所蔵する国宝15件·重要文化財60件を含む寺宝、八十八件が一堂に会します。
みどころ③
真言宗最高の儀式とも言われる後七日御修法に関わる寺宝も特別に公開。後七日御修法についてのコーナーを設け、ベールに閉ざされた "秘儀"をご紹介します。
みどころ④
真言宗各派の貴重な仏像約40体が集結する仏像ファン必見のラインナップ。なかでも秘仏開帳をテーマに普段は目にすることのできない各地の秘仏9体は必見!!
空海と真言宗を知る、八十八件の名宝巡り
弘法大師空海(774~835年)によって開かれた真言宗は、さまざまに分派した歴史を持ちます。その中で中心的な役割を果たし、今に続く後七日御修法を支えているのが、真言宗各派総大本山会(各山会)所属の十八本山です。空海生誕1250年を記念する本展では、十八本山と関係寺院の貴重な名宝が一堂に会します。空海ゆかりの名宝、密教美術の精華、密教図像の世界、後七日御修法の世界、真言宗各派の名宝、真言宗各派の彫刻と秘仏。見どころは満載です。八十八件の名宝を通じ、空海と真言密教、そして弘法大師信仰の歴史と広がりをご体感ください。
真言宗各派総大本山会(各山会)とは
真言宗の主要な16派の総本山・大本山である18の寺院で構成されています。1200年の歴史を持つ後七日御修法を後世に継承することを目的に、昭和33年(1958)に創設されました。毎年1月8日~14日の7日間にわたって行われる後七日御修法を取り仕切っています。後七日御修法の導師役を務める大阿闍梨は、各山会に属する十八本山の管長・山主のなかから選出され、真言宗を代表する役割を担う長者となります。
長谷寺(真言宗豊山派総本山)
仁和寺(真言宗御室派総本山)
寳山寺(真言律宗大本山)
智積院(真言宗智山派総本山)
朝護孫子寺(信貴山真言宗総本山)
勧修寺(真言宗山階派大本山)
大覚寺(真言宗大覚寺派大本山)
醍醐寺(真言宗醍醐派総本山)
根來寺(新義真言宗総本山)
中山寺(真言宗中山寺派大本山)
金剛峯寺(高野山真言宗総本山)
西大寺(真言律宗総本山)
教王護国寺[東寺](東寺真言宗総本山)
清荒神清澄寺(真言三宝宗大本山)
泉涌寺(真言宗泉涌寺派総本山)
善通寺(真言宗善通寺派総本山)
須磨寺(真言宗須磨寺派大本山)
隨心院(真言宗善通寺派大本山)
後七日御修法とは
1月8日~14日までの7日間、京都·教王護国寺[東寺]灌頂院で鎮護国家、五穀豊穣、玉体安穏などを願い、各山会各派の山主らによって営まれる真言宗最高の法会です。1月7日まで神事が行われた後の7日間の修法であるため「後七日」の名がある秘儀で、一般には公開されません。承和2年(835)に空海が宮中の真言院で創始して後、南北朝~室町期や明治期の混乱などの一時期を除き1200年におよぶ長い間、毎年続けられてきました。
第1章
空海と真言密教
弘法大師空海(774–835)は讃岐に生まれ、若い頃から山々で修行を重ね、やがて唐に渡って恵果から密教のすべてを受け継ぎました。帰国後は教王護国寺[東寺]を拠点に真言密教を広め、その思想は今も多くの人々に影響を与えています。本章では、空海ゆかりの名宝をはじめ、密教の美しい造形や豊かな図像の世界をご紹介します。空海が日本にもたらした密教の奥深さと、その教えがどのように広がっていったのかを、ゆかりの名宝を通して感じていただける内容です。空海の精神が息づく真言密教の世界へといざないます。
弘法大師坐像
江戸時代 17世紀 和歌山・金剛峯寺蔵
金剛峯寺本坊持仏間本尊、特別公開!
現在、金剛峯寺本坊が建つ地は、空海のあと高野山を任された甥の廟所と伝え、後に大伝法院が創建された聖地です。さらに同地に豊臣秀吉が母のために寺院を建てました。本像はこの寺院の創建期より安置されていたといいます。その後、三度の火災をくぐり抜け、近世の真言宗の発展を見つめてきた由緒正しき秘仏・弘法大師坐像が、空海生誕1250年を記念して特別に公開されます。
細やかな截金文様と伸びやかな描線が見どころの、不動明王像の名品!
国宝 五大尊像
鎌倉時代 12~13世紀 京都・醍醐寺蔵 ★
観る者を圧倒する迫力! 日本最大級の白描図像
重要文化財 五大力菩薩像
豊前五郎為広筆 鎌倉時代 建久8年(1197) 和歌山・普賢院蔵 ★
密教経典や梵字などを書写した、空海留学中のノート
国宝 三十帖冊子 第二十二帖
空海ほか筆 平安時代 9世紀 京都・仁和寺蔵 ★
密教をマスターするために唐に留学した空海が、写経生たちとともに密教典籍を書写したノート。書写された典籍は、師匠の恵果から伝授されたもので、楷書、行書、草書の各書体を交えつつ、綿密な文字で記されています。空海の筆跡とされるのは行書体と梵字の大部分です。空海が密教を必死に習得しようとした、その熱意の結晶といえるでしょう。
大覚寺への熱い想いが感じられる、後宇多天皇晩年の書
国宝 後宇多天皇宸翰御手印遺告
後宇多天皇筆 鎌倉時代 14世紀 京都・大覚寺蔵 【後期展示】
空海が中国から持ち帰った至高の宝物
国宝 金銅錫杖頭
中国 唐時代 8世紀 香川・善通寺蔵
第2章
後七日御修法の世界
後七日御修法は、毎年1月8日から7日間にわたって行われる、真言宗でもっとも重要な法会です。空海が晩年に強く願い、宮中で始まった儀式が今も教王護国寺[東寺]に受け継がれています。天皇の安寧や国の平和を祈るために行われ、現在も厳かな雰囲気のなか、代々の大阿闍梨によって続けられています。本章では、この秘められた儀式の世界を、ゆかりの仏像や図像を通してご紹介します。特に、観音供の本尊として伝わる「聖観音菩薩·梵天·帝釈天立像(二間観音)」や、かつて会場を荘厳した「十二天像」など、普段は目にすることのない名品が特別に登場。長い歴史の中で護り継がれてきた“祈りのかたち”をご覧いただけます。
重要文化財 聖観音菩薩・梵天・帝釈天立像(二間観音)
鎌倉時代 13世紀 京都・教王護国寺[東寺]蔵
彫刻・金工・色彩の小宇宙!
宮中ゆかりの仏像
かつて宮中の仁寿殿で行われた天皇の身体健全を祈る儀式の本尊。のちに清涼殿二間に場所を移したことから本像は「二間観音」と呼ばれます。江戸時代に真言宗最大の儀式である後七日御修法に組み込まれました。希少材である白檀から彫り出した像本体、金属製の精緻な光背、華やかな彩色の台座など、当代一流の技術が凝縮されています。
「後七日御修法」草創期に用いられた十二天画像
国宝 十二天像のうち「羅刹天」「水天」「風天」
平安時代 9世紀 奈良・西大寺蔵 ★
十二天は密教修法の場を守る役割を担います。空海が承和元年(834)に進言した「後七日御修法」においても使用されました。本作品は現存最古の十二天で、画面いっぱいに尊像を描き、鳥獣座に乗る点が特徴です。「後七日御修法」草創期に制作され使用された可能性のある、非常に重要な作例です。
平安時代の「後七日御修法」の設えを伝える貴重な図面
宮中真言院で行われた「後七日御修法」の詳細を示した図面です。修法でどのような仏画や仏具がどのように用いられたのかが分かる重要な史料です。細部まで丁寧に記されることから、単なる記録ではなく後世に伝えることが意識されているのでしょう。東壁には胎蔵界、西壁には金剛界の両界曼荼羅が懸けられ、一年おきに金剛界、胎蔵界それぞれの修法が行われました。
重要文化財 後七日差図(密要鈔のうち)
平安時代 12世紀 京都・仁和寺蔵 ★
第3章
真言宗各派の名宝
真言宗は、空海の教えを大切に受け継ぎながら、時代とともにさまざま分派してきました。各派に分かれていった理由は複雑ですが、空海への深い敬意と、密教を伝える強い思いを共有しています。そのつながりの象徴ともいえるのが、後七日御修法を共に担う十八本山からなる真言宗各派総大本山会(各山会)です。本章では、各派の寺院が誇るゆかりの名宝を紹介し、多彩な真言宗の歴史と文化の広がりをお伝えします。1200年もの歴史のなかで大切に受け継いできた寺宝の数々は、空海の教えが各地に根づき、人々の信仰に支えられてきた証そのもの。各派が育んだ美と信仰の世界を、ゆったりと感じていただけます。
米俵が飛ぶ! 蔵が飛ぶ! 命蓮が起こす奇跡のエピソードを描く!
国宝 信貴山縁起絵巻 飛倉巻
平安時代 12世紀 奈良・朝護孫子寺蔵 【前期展示】
石山寺の創建と本尊如意輪観音の霊験をドラマチックに描く!
重要文化財 石山寺縁起絵巻 巻第一
伝高階隆兼筆 鎌倉~南北朝時代 14世紀 滋賀・石山寺蔵 【前期展示】
石山寺の創建と本尊如意輪観音の御利益を描いた絵巻。石山寺は奈良時代・天平19年(747)、聖武天皇の願いにより、良弁によって創建されました。平安時代前期、醍醐寺の聖宝が初代の座主となり、真言宗の寺院となります。巻第一には伽藍建立の様子が描かれています。鎌倉時代後期に活躍した宮廷絵師、高階隆兼の工房が手掛けた作品とみられています。
美しい料紙に見事な筆跡! 寺院創建への寄付を募る俊芿の熱意
国宝 泉涌寺勧縁疏
俊芿筆 鎌倉時代 承久元年(1219) 京都・泉涌寺蔵 【後期展示】
第4章
真言宗各派の
彫刻と秘仏
本章では、真言宗各派に受け継がれてきた仏像の名品を一堂にご紹介します。奈良時代に遡る古仏から、初期密教彫刻の魅力を伝える傑作まで、多彩な彫刻が並びます。そして本章の見どころのひとつが「秘仏」です。厨子や扉の内側で大切に守られ、普段は姿を見ることができません。三重·観菩提寺の十一面観音菩薩立像や、根來寺の興教大師坐像など、貴重な秘仏が本展では特別公開されます。長い時間を経てもなお、人々の祈りを受けとめてた仏像。その静かな存在感を通して、真言宗が大切にしてきた"祈りの美"を感じていただける章です。
初期密教彫刻の傑作、東京へ!
国宝 五智如来坐像
平安時代 9世紀 京都・安祥寺蔵
曼荼羅を立体化し、大日如来を中心に阿閦・宝生・阿弥陀・不空成就如来を配した金剛界五仏です。大日如来が備える五種の智慧(法界体性智・大円鏡智・平等性智・妙観察智・成所作智)を象徴する五智如来とも呼びます。安祥寺像は同寺創建期にさかのぼる初期密教彫刻の傑作で、五軀がそろう五智如来像の現存最古の作例です。
現存まれな天弓愛染! 天の星を射るがごとし。甲斐源氏ゆかりの平安仏。
重要文化財 愛染明王坐像
平安時代 12世紀 山梨・放光寺蔵
秘仏。なまめかしく、うつくしく。
重要文化財 如意輪観音菩薩坐像
平安時代 11世紀 大阪・大門寺蔵 撮影:佐々木香輔
随筆家・白洲正子をも圧倒した存在感!
重要文化財 十一面観音菩薩立像(部分)
平安時代 9~10世紀 三重・観菩提寺蔵 撮影:佐々木香輔
十一面六臂の異形の観音像です。細めた目とめくりあがった上唇がつくりだす畏怖すべき力強い表情と、頭部を大きくつくるプロポーションが拝観者に迫るようです。観菩提寺で三十三年に一度開帳される秘仏本尊を、今回特別に公開いたします。思わず手を合わせ祈りたくなるような、その圧倒的な存在感を会場でご体感ください。
光背や台座にも仏像が! 総高約25cmに込められた超絶彫技の秘仏
国宝 薬師如来坐像
円勢・長円作 平安時代 康和5年(1103) 京都・仁和寺蔵
空海ゆかりの薬師如来像が康和5年(1103)に焼失した後に、当代一流の仏師の円勢・長円親子によって作られた再興像です。総じて丸みを強調した造形感覚や、着衣に金で表わされた多種多様な文様には、平安時代後期の貴族文化の美意識が反映されています。希少材である白檀から彫り出し、光背や台座に浮彫りで表わされた精緻な仏像も必見です。
秘仏とは
秘仏とは、特別な理由から普段は扉や帳の奥に安置され、限られた時だけ公開される仏さまのことです。絶対秘仏のように一切見られないものから、数十年に一度だけ開帳されるものまで、その在り方はさまざま。秘されてきた背景には、信仰を深める思いや地域の慣習などが込められています。本展では、寺院が大切に守ってきた秘仏を特別な機会としてご覧いただけます。
- 会期中、一部作品の展示替えを行います。前期展示:7月14日(火)~8月9日(日)後期展示:8月11日(火)~9月6日(日)
- 展示期間の表記のないものは通期展示を予定しています。★の作品は会期、場面替え等を予定しています。














