章構成
第1章 加賀前田家歴代
加賀前田家は、江戸時代、最大規模の石高を誇る大名家として、徳川一門との関係を重視しつつ領国統治に努め、14代にわたり家名を繋ぎました。本章では、初代・利家ゆかりの品々と、歴代当主が身にまとった甲冑と陣羽織を通して、加賀前田家の歴史と血脈を紹介いたします。

重要文化財金小札白糸素懸威胴丸具足 前田利家所用
安土桃山時代・16世紀 前田育徳会蔵

重要文化財陣羽織 淡茶縬地菊鍾馗図 前田利家所用
安土桃山時代・16世紀 前田育徳会蔵

重要文化財幟 白練緯刺し子地鍾馗図 前田利家所用
安土桃山時代・16世紀 前田育徳会蔵
第2章 百万石の文化大名
江戸時代、太平の世へと移りゆくなかで、百万石を超える突出した石高を擁する加賀前田家は、その豊富な財力から文化大名として飛躍していきます。3代・利常は貴重な書画や舶来の文物を精力的に蒐集し、京都から名工を招いて武具や調度の工房「御細工所」を充実させます。その蒐集にかける情熱は、やがて5代・綱紀の時代に頂点を迎えることになります。

重要文化財荏柄天神縁起 巻上(部分)
鎌倉時代・元応元年(1319) 前田育徳会蔵 前期展示(4/14-5/10展示)

重要文化財アエネアス物語図毛綴壁掛
ニカシウス・アエルツ作 ベルギー 16~17世紀 前田育徳会蔵
第3章 加賀前田家の武と茶の湯
加賀前田家の武と美は、刀剣と茶道具にも象徴されています。「名物」と称される名品をはじめ、旧蔵の名品も再結集させ、その全体像を紹介いたします。「名物」揃いの展示空間もお楽しみください。

国宝太刀 銘 光世作(名物 大典太)
平安時代・12世紀 前田育徳会蔵

重要文化財大名物 唐物茄子茶入 銘 富士
南宋時代・13世紀 前田育徳会蔵
第4章 天下の書府
3代・利常の文化事業は、孫の5代・綱紀に引き継がれました。綱紀が蒐集した典籍の豊富さはとくに注目され、その圧倒的な蔵書コレクションは「天下の書府」と評されたほどです。本章では、綱紀が自ら整理分類し命名した工芸標本「百工比照」、さらに綱紀が礎を築いた「加賀宝生」の能面や能装束などもあわせ、加賀前田家の知と美の世界を紹介いたします。

国宝宝積経要品(部分) 足利尊氏・直義・夢窓疎石合筆
南北朝時代・康永3年(1344) 前田育徳会蔵 後期展示(5/12-6/7展示)

重要文化財百工比照 第三号箱第六架釘隠引手等金具 第二重
江戸時代・17~18世紀 前田育徳会蔵

松唐草葵紋散蒔絵婚礼調度 溶姫所用
江戸時代・19世紀 前田育徳会蔵
第5章 侯爵前田家のコレクション
近代以降、加賀前田家は本拠を金沢から東京に移し、侯爵家へと転身します。16代・利為は5代・綱紀の偉業にならい、美術工芸品の蒐集や伝来品の整理に努めました。そして前田家伝来品を確実に後世へ存続させるべく、大正15年(1926)に育徳財団(現在の前田育徳会)を創立しました。本章では、利為蒐集品を紹介するとともに、東京・駒場にある旧前田家本邸洋館の室内に飾られていた品々を展示いたします。

シロクマ
フランソワ・ポンポン作 フランス 1930年 前田育徳会蔵

オートグラフ バッハ楽譜
ヨハン=セバスティアン・バッハ筆 ドイツ
18世紀 前田育徳会蔵 5月12日(火)~5月24日(日)展示
