2020.6.22

後宇多天皇の筆跡、後世へ 大覚寺・国宝 修理施設に

文化庁、宮内庁、読売新聞社が推進する「紡ぐプロジェクト」の今年度の文化財修理助成事業で、対象となった大覚寺(京都市右京区)所蔵の国宝「後宇多ごうだ天皇宸翰しんかん弘法大師伝(絹本)」(1315年)が17日、京都国立博物館(京都市東山区)の修理作業施設に搬入された。修理は1935年以来、85年ぶり。

「後宇多天皇宸翰弘法大師伝」の状態を入念に確認する関係者ら(京都市東山区で)=土屋功撮影

大覚寺の再興を始め、仏法の興隆に尽力した後宇多天皇が絹本に書写した空海の伝記で、文章は天皇が自ら選んだとされる。

経年の劣化により、全体に横折れが発生し、絹や墨が欠けた部分や亀裂が見られることから、修理では折れをなくし、絹のすぐ裏側にある肌裏紙はだうらがみの取り換え作業などが行われる。

この日、収蔵庫から慎重に運び出し、修理作業施設の壁に掛けると、修理技術者らが傷み具合などを入念に確認した。大覚寺の岡村光真執行は「さらに1000年先まで残るよう、きれいにしていただけたら」と期待を寄せた。

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