2021.3.2

日本が誇る匠の魂~神戸・竹中大工道具館を歩く

六甲山の麓、JR新神戸駅近くに2014年に移転開館した「竹中大工道具館」は、かんなのみといった大工道具を集めたミュージアムだ。

鉋だけでも相当な種類がある

日本で唯一の大工道具の博物館として、竹中工務店が神戸・中山手に同館を開いたのは1984年。高度経済成長につれて木造建築が減少し、電動工具が普及する中、「このままでは伝統的なたくみの技が消滅してしまう」との危惧が背景にあったという。現在は約3万5000点に上る収蔵品のうち約1000点を常設展示する。

伝統とモダンな要素を取り入れた重厚な建築物の同館は、古代からの大工道具の歴史をたどる「歴史の旅へ」、大工のまとめ役である棟梁とうりょうの仕事を伝える「棟梁に学ぶ」など七つのコーナーで構成する。

大工道具の標準編成。179点の鑿や鉋、ノコギリが壁一面にずらり

圧巻は、大工が標準的な木造建築を作るのに必要とした179点の鑿、鉋、ノコギリなどの道具を一面に並べたガラスケース展示だ。「これだけ多くの種類を使い分け、精緻せいちな木造建築を作り上げたのが日本の大工道具の特徴。海外ではここまで使い分けることはありません」と西村章館長は話す。

昭和を代表する宮大工の西岡常一氏が使った道具や図面も紹介。西岡氏の貴重な肉声を聴けるコーナーでは「木のクセを見抜いて用途に合った素材を組むことが、建物を長く維持させることにつながる」という大工の極意に触れることができる。

唐招提寺金堂の柱と軒を原寸大で再現した組み物。目線の高さで迫力を味わえる

もう一つの目玉は、国宝・唐招提寺金堂の柱と軒を原寸大で再現した建築模型だ。高さ7メートルの柱模型は建物内の吹き抜けに立っており、軒を支える木組みを目線の高さでじっくり見たり、地下フロアから見上げたりできる。

館内の工房では「槍鉋」を使った木材の削り体験も

館内には来場者向けに木工教室を行う工房も備え、やりの形をした昔ながらの「槍鉋」を使った木材の削り体験などができる。建築の魅力を五感で味わえる。

入館料は一般500円。月曜休館。問い合わせは同館(078・242・0216)。

(2021年2月7日読売新聞より掲載)

竹中大工道具館の公式サイトはこちら

https://www.dougukan.jp/

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