2019.9.2

ICOM京都大会が開幕しました

能「石橋」 獅子が参加者を歓迎

開会式で上演された能「石橋」。人間国宝の大倉源次郎さん(中央後ろ)が、京都国立博物館所蔵の鼓胴を使い演奏した

世界118の国・地域から過去最多の約4200人が参加して開幕した「第25回国際博物館会議(International Council of Museums、ICOM=アイコム)京都大会」の開会式が2日、主会場の国立京都国際会館(京都市左京区)で行われた。最終日の7日まで、「文化をつなぐミュージアム―伝統を未来へ―」をテーマに、博物館が抱える課題や将来像などを巡って議論が交わされる。

ICOMのスアイ・アクソイ会長は開会あいさつで、「世界の不確実さが増す中で、文化遺産の保護や持続可能性、気候変動などがICOMの重要なテーマ。私たちは民主的で透明度の高い議論を続けていく必要がある」と述べた。

開会式はICOMのスアイ・アクソイ会長のあいさつから始まった

開会式では、 歓迎イベントとして日本の伝統芸も披露され 、厳かなムードに包まれた。秋篠宮ご夫妻も出席し、秋篠宮さまは「博物館には、文化学術のハブとして人類の遺産を引き継ぎ、未来を創造する役割があります。世界各地の博物館が一層発展していくことを祈念します」と述べられた。

開会式であいさつの言葉を述べられる秋篠宮さま

大会組織委員長を務める佐々木丞平じょうへい・京都国立博物館長は「文化の多様性を守り、持続可能な未来や教育の機会均等を実現するため、博物館は何ができるのか。様々な課題解決には、人々の英知を結集する以外にない」と語った。

会場では能「石橋しゃっきょう 大獅子」の上演もあり、小鼓の人間国宝・大倉源次郎さんが京都国立博物館所蔵の「苅田かりた蒔絵まきえつづみどう」を演奏。深みのある江戸時代の音色で各国からの参加者を魅了した。

この後、自然素材を多用したデザインで知られる建築家の隈研吾さんが「森の時代」と題して講演した。2日午後には、持続可能な社会に向けた博物館の役割に関する全体会合のほか、植民地時代に略奪された文化財の返還問題に関するパネル討議などが行われる。

秋篠宮ご夫妻らが読売新聞ブースを見学

主会場の国立京都国際会館では、2~4日の3日間、国内外の博物館、美術館や協賛企業などが展示を行う約150のブースが設置されている。開会式に先立ち、秋篠宮ご夫妻が一部のブースを見学し、興味深そうに展示に見入られた。

最上位プラチナクラスのスポンサーとして大会を協賛する読売新聞社もブースを設けており、宮内庁、文化庁と連携して文化財の修理などに取り組む「紡ぐプロジェクト」や、10~11月に奈良、東京で開かれる「第71回正倉院展」「正倉院の世界展」に関するパネルを展示している。

関係者によると、読売新聞社のブースを訪問した秋篠宮ご夫妻は、老川祥一・グループ本社最高顧問・主筆代理と溝口たけし・大阪本社社長から説明を受けられた 。秋篠宮さまは、紡ぐプロジェクトについて、「(文化財の保存・修理・公開という)循環が大切ですね」と述べられたという。

能の上演を終えた 能楽協会理事長でシテ方の観世銕之丞てつのじょうさんと鼓の人間国宝・大倉源次郎さんもブースを訪れ、ウェブサイト「TSUMUGU : Japan Art & Culture」の紹介などに耳を傾けた。

イベントホールの読売新聞のブースを訪れた能楽協会理事長でシテ方の観世銕之丞さん(左)と鼓の人間国宝・大倉源次郎さん

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