2020.8.7

触れる・回せる・楽しめる! 8Kで名茶碗を体感~東博で開催

国立文化財機構 文化財活用センターは、東京・上野の東京国立博物館で、8K画像を活用した新しい文化財鑑賞体験「8Kで文化財 『ふれる・まわせる名茶碗ちゃわん』」を日時指定の予約制で開催した。リアルとバーチャルを融合させた新たな試みとして注目される。

本物を模したコントローラーと70インチの大画面が連動。バーチャル鑑賞が楽しめる
茶碗を画面上で拡大・回転させられるほか、断面の様子までも詳しく表示

事前予約制の限定公開による実証実験として、8月2日まで同博物館東洋館1階ラウンジで実施した。70インチの大型モニターに、同館所蔵の名品「大井戸茶碗 有楽うらく井戸」「青磁茶碗 銘 馬蝗絆ばこうはん」「志野茶碗 銘 振袖」を映し出し、実物そっくりに制作した茶碗型のコントローラーと連動させてバーチャル鑑賞できる仕組みだ。

「大井戸茶碗 有楽井戸」(重要美術品、朝鮮/16世紀)は、ほんのり赤みを帯びたやわらかい枇杷びわ色が特徴。有楽斎はじめ名だたる茶人が手にした。「青磁茶碗  銘 馬蝗絆 」(重要文化財、中国・龍泉窯/13世紀)は、粉青色の透き通るような美しい色合いが最大の魅力で、室町時代に将軍・足利義政が所持したという名碗と伝わる。

「志野茶碗 銘 振袖」(美濃=岐阜県/16~17世紀)は、白肌を透かしてススキの文様がうっすらと見え、志野の魅力がよくあらわれている。

今回、文化財活用センターは東京国立博物館・シャープとの共同により、形も重さも実物そっくりに制作した茶碗型のコントローラーを新開発。手元の茶碗を動かせば、センサーとカメラの働きにより、8Kモニター上の高精細画像を360度好きな角度から鑑賞できるようにした。まるで茶碗を手に取って眺めているような「疑似体験」が楽しめるようにした。

また、コントローラーの向きを画面に表示される「見どころマーカー」の位置に合わせると、作品の見どころポイントが表示される。作品への理解を深めるのに役立つよう工夫したという。

担当した三笠景子・東博主任研究員は「器は手に取ってこそ、ざらざらとした質感や重さなどを感じることができる。こうした触覚を通じた鑑賞は心に深く残るものだが、実際の展示ではなかなか手で触れる機会は得られない。今回のコンテンツを通じて、先人の目を追体験しながら、日本の豊かな焼き物文化に触れる手がかりにしてもらえたら」と話していた。

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