2020.8.17

紡ぐ×早大・日本美術史講義で連携スタート~美術と社会課題考える

日本美術の歴史を学ぶことから、実社会の課題を考えられる人材育成をと、早稲田大文学部(東京都新宿区)の山本聡美教授(日本美術史)は今年度、文化庁、宮内庁、読売新聞社が取り組む「紡ぐプロジェクト」との連携をスタートした。リベラルアーツ教育の一環で、知識を得るだけでなく、「美術という窓から社会を見るという視点を身に付けてほしい」と話す。

オンラインで特別授業を行う山本聡美教授(東京・新宿区の早大戸山キャンパスで)

山本教授が担当する「日本美術史入門」は、5月から12回にわたり、各時代を代表する作品や作家をはじめ、政治、経済、宗教的な背景の理解を促す。「なぜこの時代にこの作家が出てくるかを考えると、歴史が見える。体系的に学ぶことで、これまでの『見方』を知ってほしい」と語る。

「例えば一つの仏像が作られた背景には、その時代の祈りがあり、人々の困難や苦しみがあった。時代の課題を解決する答え、ツールの一つとして、何が生み出されてきたのかを考えていくと、今の課題への答えを考えるヒントにもなる」

「紡ぐプロジェクト」との連携では、7月13日にオンライン形式で特別講義を行い、官民連携で文化財を守り伝えることの意義や狙いについて理解を深めた。

学生からは「日本美術に縁遠い人たちに魅力を伝える上で、どんな工夫をしているか」「アフターコロナの時代に展覧会をどうするか」などの質問が寄せられ、活発な議論が交わされた。

山本教授は「日頃の課題以上に丁寧に取り組む学生が目立ち、特別講義には大きな効果があると実感した。古典知を学ぶ美術史の講義には企業が求める人材育成への期待が強く寄せられつつある」と話している。

(8月2日付読売新聞朝刊から転載)

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