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2021.12.22

徳川家ゆかりの蒔絵、新春に特別公開~九博で「国宝 初音の調度」

九州国立博物館で2022年1月1日から、「新春特別公開 徳川美術館所蔵『国宝 初音はつねの調度』」が開催される。徳川家ゆかりの華麗な蒔絵まきえを鑑賞できる。会期は1月30日まで。

ⓒ徳川美術館 イメージアーカイブ/DNPartcom
国宝 初音はつね蒔絵まきえ刀掛かたなかけ 江戸時代・1639年(寛永16年) 徳川美術館
室内で刀剣のこしらえを安置するための台。大名家の婦女は文武両道に秀でていることが要求され、自分用の刀や甲冑かっちゅうなどを所持していた。

尾張徳川家ゆかりの品々を収めた徳川美術館(名古屋市)所蔵の国宝「初音の調度」は、徳川三代将軍家光の長女である千代姫が1639年(寛永16年)、尾張徳川家二代光友に嫁ぐ際に制作された婚礼調度だ。

「初音」という名称は、この調度を飾る文様の多くが『源氏物語』「初音」帖に題材を得ていることに由来する。金銀を贅沢ぜいたくに使い、高度な蒔絵技術を尽くして制作された豪華な調度は、わが国の漆芸史上、白眉である。

ⓒ徳川美術館 イメージアーカイブ/DNPartcom
国宝 初音はつね蒔絵まきえかかり 江戸時代・1639年(寛永16年) 徳川美術館
肘をかけて寄り掛かるための道具で、内部には懸子かけごを収める。上部に華やかなビロードを張り、パンヤ(綿毛)をクッションに入れる。
ⓒ徳川美術館 イメージアーカイブ/DNPartcom
国宝 胡蝶こちょう蒔絵まきえ掛硯箱かけすずりばこ  江戸時代・1639年(寛永16年) 徳川美術館
掛硯箱は、硯箱の一種で掛硯とも呼ぶ。手に下げて持ち運べるように上部に提手とってが付けられる。内部には引き出しを備え、硯や筆のほか紙や小物を収める。

今回は、国宝「初音の調度」のうち、刀掛かたなかけかかりと、同じく『源氏物語』「胡蝶こちょう」帖の場面を描いた掛硯箱かけすずりばこの3件を展示し、盛岡藩主南部家ゆかりの大ぞろいの婚礼調度も合わせて紹介する。

新春を飾るにふさわしい華麗なる婚礼調度をじっくりと楽しめる機会となりそうだ。

開催概要

日程

2022.1.1〜2022.1.30

会場

九州国立博物館 文化交流展示室 第9室
〒818-0118 福岡県太宰府市石坂4-7-2

料金

一般700円、大学生350円
高校生以下・18歳未満および満70歳以上は無料

休館日

毎週月曜日

1月3日(月)、1月10日(月・祝)は開館、1月4日(火)、1月11日(火)は休館

開館時間

午前9時30分~午後5時

入館は午後4時30分まで

お問い合わせ

050-5542-8600(ハローダイヤル)

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