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2020.12.4

匠の建築技術、模型で体感 「日本のたてもの」都内3会場で開催

大仙院本堂 1/10模型 1969年 国立歴史民俗博物館蔵

模型を通して日本の伝統建築を紹介する「日本のたてもの―自然素材を活かす伝統の技と知恵」が12月から順次、東京・上野の東京国立博物館(12月24日~)や国立科学博物館(12月8日~)など3会場で開催される。

細部まで精巧に再現した国宝や重要文化財などの建築模型33件を、一挙に展示。室内の様子や天井裏の木組みなどに「たくみの技」を発見できる。

一乗寺三重塔 1/10模型 1975年 国立歴史民俗博物館蔵

東京国立博物館の会場には、国宝・一乗寺三重塔(兵庫県)の10分の1サイズの模型や、同じく国宝・松本城天守(長野県)の20分の1模型、2019年10月に焼失した首里城正殿(沖縄県)の10分の1模型をはじめ、貴重な建築物の模型がずらりと並ぶ。中には、複数に分割できるものもあり、建物の断面の様子や室内の細部まで細かく鑑賞できる。

今西家住宅 1/20模型 1971年 国立歴史民俗博物館蔵

奈良県にある重要文化財「今西家住宅」の10分の1模型の内部は、天井裏の木組きぐみや室内に巡らせた障子、土間の様子などが実物そっくりに再現され、写真に撮ったら本物にしか見えないほど。これらは職人が模型専用に作られた親指大のカンナなどごくミニサイズの大工道具を使って、実物同様に作られているというから驚きだ。

帝国ホテル旧本館 1/200模型 帝国ホテル蔵

一方、国立科学博物館の会場では少し毛色を変えて、近代の建築物をテーマに据える。西洋建築を取り入れた帝国ホテル旧本館の200分の1模型、日本最初の超高層ビルとされる霞が関ビルディングの200分の1模型など、都市の姿を近代的に変えていった建築模型が並ぶ。

霞が関ビルディング 1/200模型 国立科学博物館蔵

東京・湯島の国立近現代建築資料館の会場では、「大工技術の継承」をテーマに、模型のほか図面や道具類の展示を通じて、匠の技を受け継いできた歩みを紹介する。近世以前の大工家や棟梁とうりょうがやがて組織化され、現在における建設会社の原型になったことなどを伝える。

折しも、左官や茅葺など日本の伝統的な木造建築物を受け継ぐための技術「伝統建築工匠の技」が今月、ユネスコの無形文化遺産に登録される見通しだ。世界的に評価される我が国の伝統建築の成り立ちと発展を、模型を通じて実感できるまたとない機会といえる。

公式サイトはこちら

https://tsumugu.yomiuri.co.jp/tatemono/

開催概要

日程

2020.12.8〜2021.2.21

※会場によって会期が異なります

会場

①東京国立博物館表慶館(東京・上野)
 2020年12月24日~2021年2月21日
②国立科学博物館(同)
 2020年12月8日~2021年1月11日
③国立近現代建築資料館(東京・湯島)
 2020年12月10日~2021年2月21日

料金

①東京国立博物館 一般1500円、大学生1000円、高校生600円、中学生以下無料
②国立科学博物館 一般・大学生630円、高校生以下・65歳以上無料
③国立近現代建築資料館 無料

休館日

①東京国立博物館 月曜日、2020年12月26日~2021年1月1日、1月12日 ※1月11日は開館
②国立科学博物館 月曜日、2020年12月28日~2021年1月1日 ※1月11日は開館
③国立近現代建築資料館 2020年12月29日~2021年1月3日

開館時間

①東京国立博物館 午前9時30分~午後5時(金・土曜は午後9時まで開館)
②国立科学博物館 午前9時~午後5時(金・土曜は午後6時まで開館)
③国立近現代建築資料館 午前10時~午後4時30分

お問い合わせ

03-5777-8600(ハローダイヤル)

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