2020.10.2

豪華なコレクションに酔う 「根津美術館の国宝・重要文化財」展 11月14日開幕

国宝 燕子花図屏風(右隻) 尾形光琳筆 日本・江戸時代 18世紀(12月1日~13日展示)

財団創立80周年記念特別展
「根津美術館の国宝・重要文化財」
根津美術館(東京都港区)
2020年11月14日(土)~12月20日(日)

東京を代表するハイファッションの街中とは思えない静かな雰囲気

にぎやかな表参道や青山通りにほど近いロケーションながら、緑豊かな落ち着いた佇まいと豪華なコレクションで人気の高い根津美術館。東武鉄道などの経営で知られ、「鉄道王」と言われた実業家・初代根津嘉一郎(1860~1940)が亡くなった際、長男の2代目嘉一郎(1913~2002)が、初代根津が熱心に収集した日本や東洋の古美術と、南青山の土地・邸宅を寄付して財団を設立。翌1941年、美術館が開館した。財団創立80周年を記念した同展は、同美術館が収蔵する国宝7点、重要文化財88点のすべてを披露する豪華な催しだ。この収蔵数は私設の美術館としてはトップクラス。11月14日の開幕を前に、主な作品を紹介する。

正門からのアプローチも人気のスポット
国宝 燕子花図屏風(右隻) 尾形光琳筆 日本・江戸時代 18世紀(12月1日~13日展示)
国宝 燕子花図屏風(左隻) 尾形光琳筆 日本・江戸時代 18世紀(12月1日~13日展示)

なんといっても注目は尾形光琳(1658~1716)の代表作。大画面に堂々と、リズミカルに描かれたカキツバタの群生は、見るものを圧倒するオーラを放つ。

重要文化財 夏秋渓流図屏風(右隻) 鈴木其一筆 日本・江戸時代 19世紀(11月14日~29日展示)
重要文化財 夏秋渓流図屏風(左隻) 鈴木其一筆 日本・江戸時代 19世紀(11月14日~29日展示)

屏風といえば、今年新たに重要文化財に指定された鈴木其一(1796~1858)のこちらも大いに注目。琳派の鬼才が細部に至るまで濃密に描き込んだ。

国宝 漁村夕照図 牧谿筆 中国・南宋時代 13世紀(11月14日~29日展示)

南宋の画僧・牧谿が中国江南の景勝地を描いた「瀟湘八景」のうちの一図。足利義満の所蔵印が押される。牧谿図は日本の画人に多大な影響を与え、水墨画のお手本となった。

重要文化財 春日山蒔絵硯箱 日本・室町時代 15世紀 通期展示

銀閣寺で知られる室町幕府の8代将軍、足利義政が愛した品として名高い。室町時代の蒔絵技術の粋が結集された硯箱。蓋裏には鹿の声に耳を傾けているかのような男が描かれ、文様の中に散らされた字と併せて、「古今和歌集」の壬生忠岑の名歌(山里は秋こそことにわびしけれ 鹿の鳴く音に目をさましつつ)を暗示している。

重要文化財 青井戸茶碗 銘柴田 朝鮮・朝鮮時代 16世紀 通期展示

初代嘉一郎のコレクションの核のひとつは、晩年に親しんだ茶の湯の道具。柴田勝家が織田信長から拝領した茶碗で、「柴田」の銘がある。信長や秀吉もこの茶碗で一服したのだろうか。

重要文化財 色絵山寺図茶壷 野々村仁清作 日本・江戸時代 17世紀 通期展示

茶人に好まれた唐物の褐釉茶壷の形を借りて、野々村仁清は華やかな色絵と金銀彩の小ぶりな茶壺を作った。丸亀藩京極家の注文で制作されたものの一つ。

重要文化財 宗峰妙超墨蹟 法語 日本・鎌倉時代 元亨2年(1322) 通期展示

宗派に依らぬ寺院建立を目指して、初代嘉一郎が集めた仏教美術もコレクションの重要な部分を占める。京都・大徳寺を開いた禅僧・宗峰妙超(大燈国師、1282~1337)の書。冬至の前日に行われた説法で述べた言葉を、弟子の宗円禅人に書き与えた。41歳の時に書いた、大燈の遺墨中でも早い時期の作例として貴重。

重要文化財 大日如来像 日本・平安時代 12世紀 通期展示

密教の根本経典「金剛頂経」が説く教主・大日如来を描いた独尊画像。院政期の貴族趣味を反映し、壮麗な装飾に彩られた美しい作品として名高い。岩手・中尊寺の伝来。

重要文化財 饕餮文方盃 中国・殷時代 紀元前13~12世紀 通期展示

中国の古代青銅器も、初代嘉一郎が力を入れたコレクション。酒を注ぐための器で、殷墟の王墓から発掘されたと伝わる。3点1組での出土は極めて珍しく、類品の中では最大級の威容を誇る。

これら国宝・重要文化財の大半は初代嘉一郎が購入したのちに、新たに国の指定を受けたという。既成の評価にとらわれることなく、名品を発掘した根津の審美眼を実感する展示といえそうだ。日時指定予約制。事前に日時指定入館券の購入が必要。

詳しくは同館ホームページへ。

開催概要

日程

2020.11.14〜2020.12.20

午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

会場

根津美術館
東京都港区南青山6丁目5-1

料金

一般1500円
学生1200円

休館日

毎週月曜日 ただし、11月23日(月・祝)は開館、翌24日(火)は休館

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