2021.5.1

江戸狩野派の全貌に迫る~「忘れられた江戸絵画史の本流」

狩野中信「鷹狩図」 日照軒コレクション

江戸時代、画壇の中心で活躍した江戸狩野派の足跡をたどる展覧会「忘れられた江戸絵画史の本流―江戸狩野派の250年」が5月22日から6月27日まで、静岡県立美術館(静岡市)で開かれる。

近年、人気が高まるばかりの江戸絵画。伊藤若冲じゃくちゅう、長沢芦雪ろせつら18世紀に活躍した画家がブームを牽引けんいんしているが、江戸絵画史の本流を形成した江戸狩野派に関しては、一部を除いてほとんど知られていない。

だが、そもそも狩野派は日本絵画史上で最も勢力を誇った絵師集団だ。その歴史は室町時代から江戸時代にわたって400年も続き、常に画壇のトップにあった。

狩野祐清邦信・狩野立信「花鳥図屏風」(左隻) 日照軒コレクション
狩野祐清邦信・狩野立信「花鳥図屏風」(右隻)  日照軒コレクション

中でも今回スポットを当てる江戸狩野派は巨大な組織で、将軍家や大名の注文を受け、数多くの作品を制作した。江戸画壇の中心で活躍した主要な画家だけでも、優に100人を超えるという。

本展では、江戸時代を代表する17世紀の画家・狩野探幽や、近年人気の幕末狩野派だけでなく、これまであまり注目されてこなかった18世紀の江戸狩野派の作品も多数紹介する。

■江戸城にアトリエ
狩野寛静良信「孔雀牡丹図」 日照軒コレクション

江戸狩野派は、江戸城に「アトリエ」を持つ奥絵師4家を頂点に、それを支えた表絵師12家が中核となって活動した。各家の当主だけでも、江戸時代には約140人もいたとされる。

今回の展覧会では、彼らの作品を時系列で紹介し、その変遷をたどる。表絵師の画家を系統立てて多数紹介するのは初めての試みといい、知られざる実力者たちにスポットを当てる。

会場では、1500点を超える江戸狩野派コレクターの所蔵品から、えりすぐりの111点を展示。3点を除く作品がすべて初公開となる。中には、近年人気の河鍋暁斎の師である狩野洞白陳信や前村洞和の作品も。知られざる作品を発掘し、江戸狩野派の再評価を進める。

狩野常信「和漢流書手鑑」(個人蔵)より
狩野探幽「臨画帖」(個人蔵)(重要文化財)より

また、今回の展示に併せて、江戸狩野派の古典学習に焦点をあてた特別展示「江戸狩野派の古典学習―その基盤と広がり」(5/18~6/27 静岡県立美術館 第7室)を行う。江戸狩野派の傑作・優品が集まる模本や直模作品などに焦点をあてる初めての展覧会で、両展を併せて鑑賞することで江戸狩野派の魅力の本質に迫ることができそうだ。

展覧会公式サイトはこちら

忘れられた江戸絵画史の本流|展覧会一覧|展覧会|静岡県立美術館|日本平のふもと、緑に囲まれた美術館 (spmoa.shizuoka.shizuoka.jp)

開催概要

日程

2021.5.22〜2021.6.27

会場

静岡県立美術館
〒422-8002 静岡県静岡市駿河区谷田53-2

料金

一般1200円(1000円)、70歳以上600円(500円)、大学生以下無料

※( )内は前売り・団体料金

休館日

月曜日

開館時間

午前10時~午後5時30分

お問い合わせ

054-263-5755

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