2021.1.23

「意匠の天才」小村雪岱の足跡たどる 東京・日本橋で特別展

小村雪岱「さかずきを持つ女」 絹本着色 1幅 清水三年坂美術館

大正から昭和初期にかけて、小説の挿絵や舞台美術の世界で活躍した小村こむら雪岱せったい(1887~1940年)の足跡をたどる特別展「小村雪岱スタイル―江戸の粋から東京モダンへ」が2月6日から4月18日まで、東京・日本橋の三井記念美術館で開かれる。

大衆文化が花開いた時代に、画家の枠を超えた多彩なジャンルに新風を吹き込み、多くの人々を魅了した雪岱の世界を鑑賞できる。

小村雪岱「月に美人」 絹本着色 1幅 清水三年坂美術館

2020年に没後80年を迎えた小村雪岱は、商業美術の世界で時代を先導する足跡を残し、「意匠の天才」とも称される人物だ。

東京美術学校で培った日本画の技術を基礎に、泉鏡花らが紡いだ言葉の詰まった著作を鮮やかに彩る「装幀そうてい家」や、江戸情緒を白黒の線画で大胆かつ可憐かれんに表現する「小説挿絵画家」として活躍。また、歌舞伎など演劇界からの信頼も厚い「舞台美術家」としても数々の作品を残した。

泉鏡花「日本橋」(表紙) 装幀:小村雪岱 冊子 1冊
大正3年(1914) 清水三年坂美術館

さらに、発足間もない資生堂意匠部(のちの宣伝部)では、商品や広告デザインにも携わるなど、引く手あまたの多彩な活躍をみせた。

消えゆくいにしえの情緒と、今なおモダンな要素を兼ね備えた斬新かつ繊細な作品の数々は、人々を引き込む新鮮な魅力を持ち合わせている。

吉川英治「遊戯菩薩」第16回(『サンデー毎日』昭和10年(1935)9月15日掲載)
紙本墨画 清水三年坂美術館

今回の特別展では、雪岱の肉筆画・木版画のほか、泉鏡花との名コンビが光る装幀本、舞台装置原画、工芸作品などを展示。江戸の粋を吸収し、東京のモダンを体現した雪岱の作品を総合的に紹介する。

「雪岱スタイル」と呼ぶべき、繊細かつ洗練された美の世界を堪能したい。

開催概要

日程

2021.2.6〜2021.4.18

会場

三井記念美術館
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館7階

料金

一般1300円、大学・高校生800円、中学生以下無料

(入館は事前予約制)

休館日

月曜日、2月28日(日)

※2月22日は開館

開館時間

午前11時~午後4時

(入館は午後3時30分まで)

お問い合わせ

050-5541-8600(ハローダイヤル)

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