2020.6.10

名古屋・徳川美術館 祈りのこころ ―尾張徳川家の仏教美術―

重要文化財 法華経 普門品(部分)
平安時代 12 世紀
徳川美術館蔵

徳川美術館(名古屋市東区)には、尾張徳川家に伝来した仏教関連の品々が多数残されている。尾張徳川家では、初代義直よしなおを供養するべく、2代光友みつもと菩提寺ぼだいじとして浄土宗の建中寺けんちゅうじを建立したのをはじめ、代々帰依する浄土宗を重んじた。その一方で、多様な宗派の寺社を庇護ひごしたほか、当主個人や家族の信仰も様々だった。これを反映し、徳川美術館の仏教遺品は浄土宗にかかわる多数の品々とともに、幅広い信仰に基づく品が現在に伝えられている。

「祈りのこころ ―尾張徳川家の仏教美術―」展(7月12日まで)では、信仰のりどころとして、あるいは由緒ある宝物として大切にされた経典・仏像・ 仏画などが紹介されている。また、故人の供養のために墓所へ納められた遺愛品や、寺院への奉納品により、尾張徳川家の人々が仏教に寄せた思いが紐解ひもとかれる。

主な展示品:

国宝 初音蒔絵櫛箱はつねまきえくしばこ

寛永16年(1639年)9月22日、三代将軍・徳川家光の娘・千代姫ちよひめが尾張徳川家二代光友に婚嫁する際に持参した「初音の調度」の一つ。元禄11年(1698年)12月10日、江戸・市ヶ谷上屋敷で千代姫が亡くなると、遺体は将軍家の菩提寺・増上寺(東京都港区)に葬られ、建中寺には光友により霊仙院殿れいせんいんでん霊廟れいびょうが建立された。千代姫の道具類は名古屋に送られ、本品は建中寺宝蔵に納められた。

国宝 初音蒔絵櫛箱
江戸時代 寛永16 年(1639年)
徳川美術館蔵

重要文化財  刺繡阿弥陀三尊来迎図ししゅうあみださんぞんらいごうず

観音菩薩ぼさつ勢至せいし菩薩を先導に、雲に乗った阿弥陀如来が往生者のもとへ飛来する場面を表す。

各所に配された梵字ぼんじ種字しゅじと呼ばれ、仏尊を象徴的に示している。本紙・表装とも多彩な色糸と人毛による刺繡で表されている。高度な技法を駆使して色のぼかしや線の躍動感を表現しており、刺繡による来迎図の中でも屈指の名品。

重要文化財  刺繡阿弥陀三尊来迎図(部分)
鎌倉時代 14 世紀
徳川美術館蔵 (6月21日まで公開)

善光寺式阿弥陀三尊像ぜんこうじしきあみださんぞんぞう

善光寺(長野市)の本尊で秘仏である阿弥陀三尊像は、天竺(インド)において月蓋長者がっかいちょうじゃの前に現れた阿弥陀如来の姿を鋳出して写した「生身仏しょうじんぶつ」と伝わり、かつインドから朝鮮半島を経て日本へもたらされた最初の仏という縁起とともに、鎌倉時代以降、あつく信仰された。

全国に彫刻による多数の模像が伝存するなか、本品は数少ない絵画による遺例。尊像の頭髪を人毛の刺繡で表していることから、故人の追善を目的に制作された可能性が考えられる。

善光寺式阿弥陀三尊像
室町時代 15~16 世紀
徳川美術館蔵 (6月23日~7月12日公開)

葵紋付黄金造飾太刀拵あおいもんつきこがねづくりかざりたちごしらえ(復元品)

昭和27年(1952年)、太平洋戦争後の復興計画の一環として名古屋市街地の墓所整理計画の中で、建中寺墓所も整理された。その際、尾張徳川家の二代光友の墓所(瑞龍院殿ずいりゅういんでん墓所)からは、遺体と共に副葬された拵が発掘された。昭和43年にさや・紐・つかなどを新しく補って復元したのが本品。大名が使用する儀仗ぎじょう用の太刀拵としては最も正式な形式で、精緻せいちな彫刻を施した金・銀の金具を多用し、各所に色彩の鮮やかな宝石をちりばめている。

葵紋付黄金造飾太刀拵
昭和43 年(1968年) 建中寺瑞龍院殿墓所発掘復元品
徳川美術館蔵

(徳川美術館サイトから)

公式サイトはこちら

開催概要

日程

〜2020.7.12

午前10時~午後5時
(入館は午後4時30分まで)

会場

徳川美術館
蓬左文庫展示室
名古屋市東区徳川町1017

料金

一般1,200 円(1,000 円)
高・大生700 円(600 円)
小・中生500 円(400 円)
※( )は20人以上の団体
※毎週土曜は高校生以下無料

休館日

月曜日(祝日・振替休日の場合は翌平日)

お問い合わせ

Tel. 052-935-6262

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